釣れた魚と旨い酒!日本全国釣り行脚 神奈川県横浜市・鶴見川産スズキ

エンタメ・2020/05/23 18:00 / 掲載号 2020年5月28日号
釣れた魚と旨い酒!日本全国釣り行脚 神奈川県横浜市・鶴見川産スズキ

画像はイメージです

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 いやぁ〜、風呂上がりに浴びる夜風が心地いい季節になってきましたねぇ〜。

 ワタクシ、毎日、銭湯通いの身ですから、夜風に季節の移ろいを強く感じるんです。冬のキーン! な寒さも心地いいのですが、晩春の夜風も実に爽やかでよいものです。

 さて、日没後も寒さを感じなくなる時期ですから、のんびりと夜釣りなんてのもよいもの。ちょうど横浜に行かねばならぬ用事があったこともあり、帰りがけに横浜市東部を流れる鶴見川で竿を出すことにしました。ターゲットは「スズキ」です。

 大きいものでは1メートル近くにまで育つスズキですが、ワタクシが狙うのは関西で「ハネ」、関東で「フッコ」と呼ばれる40〜50センチ級。このくらいのサイズであれば、都市部の港湾や河口から高確率で釣れるため、なかなか外洋に釣行できない都市圏の釣り人にとってはありがたいターゲットなのです。

 日が暮れた頃、鶴見川河口部に到着すると、ルアーを投げている先客が2人ほどいたものの、河原はガラガラでした。これなら広く探り歩けそうです。

 ちなみにルアーで狙う場合は、「ハネ」「フッコ」「スズキ」ではなく、サイズを問わずに「シーバス」と呼ぶのが一般的です。釣り雑誌でも「50センチ級のシーバス」などと表記したりします。

 現在は、エサよりもルアーで狙う人が多いターゲットですが、ワタクシは昔ながらのウキ釣りで狙います。

 夜釣りゆえ、内部に小型電池を差し込み、ウキの先頭部が赤く光る“電気ウキ”というモノを使います。漆黒の水面で揺らめくウキの光をの〜んびりと眺めるのが、趣があってイイんですよねぇ。

 空いている場所に荷を下ろし、ハリにアオイソメを付けて、足下の護岸際に仕掛けを落とします。

 両岸がコンクリートで固められていて、変化に乏しい場所ゆえ、護岸際は魚にとって最高の着き場。護岸から伸びる桟橋や船を係留するための構造物などがあれば、なおヨシ。手の届く範囲にポイントが豊富な点は、都市港湾ならではの長所と言えます。

★水中に滲む光に本命を確信!

 川の流れに乗せて仕掛けを流したら、ある程度のところで点検する。これを繰り返していたところ、トロトロと流されていたウキが一瞬ですが「ポワン!」と沈みました。

 この釣りでは早合わせは禁物なので、少し待ってみます。すると「スーッ!」とさらに沈下。薄濁りの水中に沈んだ電気ウキの明かりがモワァ〜ッ! と広がるこの瞬間こそ、電気ウキ釣りの醍醐味なのです。

 頃合を見て竿を煽りますが、スカッ!…。まだ早かったか…。ハリにはアオイソメの頭だけが残っていました。

 魚の活性は悪くなさそうなので、すぐにエサを付け替えて仕切り直し。流れを利用し、いかにも魚が着いていそうな構造物の下へ仕掛けを送り込みます。

 すると、「モワッモワッ!」と動いたウキが「スーッ!」と沈み、光が「モワァ〜ッ!」と水中に広がりました。
「もうええやろ!」

 竿を煽ると「グングンッ!」と心地よい手応えが伝わり、やがて水面で派手なジャンプ。スズキの特徴でもある“エラ洗い”というヤツです。

 数回のエラ洗いを楽しみながら取り込んだのは、40センチほどの本命。ちょっと黒ずんだ緑味の強い色合いで、ヒレもあまり綺麗ではない“いかにも都市港湾”といった風貌です。

 とりあえず、すぐに血抜きや内臓の除去といった下処理を施し、クーラーボックスで保管します。

 晩のオカズにはこの1尾で十分ですが、ちょっと釣り足りない…。持ち帰りはしなかったものの、この後に2尾を釣り上げ、満足のうちに竿を納めることとなりました。

★意外に臭わず放流を後悔…

 さて、スズキといえば夏場に「洗い」で食べるのが定番とされますが、こと都市港湾部に生息する個体は“ドブスズキ”などと呼ばれ、食材としての評価はほぼありません。

 ましてや鶴見川は「全国一級河川水質調査」において常に下位5傑に食い込む強豪です。これは相手にとって不足なしです。

 これだけの強豪ですから、ドブ魚のセオリー通りに皮を引いて、ガーリックバターソテーにしてみました。軽く焦げ目が付くくらいにソテーした身をパクリ。
 ん? 旨いっ!

 味が付いた外側だけでなく内側部分もジューシーで、しかも臭みは皆無。白身魚らしい淡白で上品な旨味とガーリックバターの相性も抜群。『こだわり酒場のレモンサワー〈キリッと男前〉』がグイグイ進みます。

「逃がした2尾も、持って帰ってくればよかった」

 想定外の後悔に苛まれる、晩春の夜でありました。

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三橋雅彦(みつはしまさひこ)子供の頃から釣り好きで“釣り一筋”の青春時代をすごす。当然の如く魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

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