葉月あや 2019年5月2日号

矢野阪神2019年リーグ優勝5つの怪奇現象

掲載日時 2018年12月25日 17時30分 [スポーツ] / 掲載号 2019年1月3日号

矢野阪神2019年リーグ優勝5つの怪奇現象
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 2019年、セ・リーグの勢力分布図が変わるかもしれない。

 3連覇を果たした広島は丸佳浩外野手(29)を失った。「育成型チーム」なので、新しいレギュラー選手が現れるだろうが、丸は2年連続でMVPを獲得した主砲。戦力ダウンは必至で、大型補強に成功した巨人、クセ者のヤクルトが優勝争いに食い込んでくると思われる。ここに不気味な動きを見せているのが、「5つの怪奇現象」が起きている新生・矢野阪神だ。広島の連覇を止められるか。
「単純な話、藤浪晋太郎が復活すれば、それだけで優勝圏内に浮上しますよ」(在阪記者)

 ’18年シーズン後半、藤浪は課題の「ノーコン病克服」の兆しを見せた。矢野燿大新監督(50)も計算に入れているとは思うが、それだけでは優勝には届かない。
「いや、すでに阪神は2ケタ勝利の見込める先発投手を補強しています。ドラフト4位で獲得した齋藤友貴哉です。もっと上位で指名されていてもおかしくない社会人屈指の右腕です」(ライバル球団スカウト)

 齋藤が下位指名となった理由はいくつかある。「完成された投手」というのが一番の理由だが、その「完成」の言葉の意味が二分していた。「即戦力」の高評価と「これ以上の伸びしろがない」という批判的な声。指名を見送った球団も「先発投手が不足する阪神の弱点を補う力はある」と活躍に太鼓判を押していた。
「前中日の左腕、ガルシアを獲得できたのも大きい。今季、中日で稼いだ13勝をそのまま計算できます。救援タイプのジョンソンも獲得し、38歳の藤川球児が“クローザー復活”の色気を見せるほどまでに蘇りました」(同)

 藤川の復活こそ怪奇現象と言っていい。

 また、復活は藤川だけではない。福留孝介(41)、糸井嘉男(37)、鳥谷敬(37)といったベテラン勢も、妙にハツラツとした姿を見せている。鳥谷は「ショート再挑戦」を矢野監督に申し出たほどで、福留も来季はさらに存在感を増しそうだ。
「来季から糸原健斗がキャプテンの座を引き継ぎます。プロ3年目でのキャプテン就任は異例中の異例ですが、福留はその後ろ盾になるとし、糸原にチーム改革についても意見させていくつもりのようです。DeNAが若い筒香嘉智を主将に抜擢し、チームの雰囲気を明るくした成功例もあります」(ベテラン記者)

 シーズン後半、虎ナインはファンに声援を送られても下を向いていた。失敗を恐れ、ビクビクしているような印象もあった。だが、重苦しい雰囲気は指揮官交代によって完全払拭されつつあり、同時に別の難題解消の糸口も掴んだという。
「守備です。阪神は失策数が多すぎた」(同)

 ’18年の失策数「89」はリーグワースト。近年、このワースト記録が続き、秋季キャンプの度にハードな守備練習が繰り返されてきた。そこにメスを入れたのが、矢野監督の参謀となる清水雅治ヘッドコーチだった。
「単純なミスを厳しく怒鳴り続けていました」(同)

 当たり前の話だが、これが意義深いと関係者は見る。
「これまでもマジメに練習してきたんですが、逆シングルで捕るなど雑なプレーも目立ち、それを注意するコーチがいませんでした。これでは巧くなるはずがない」(球界関係者)

 その清水ヘッドへは、あまりいい評判を聞かない。だが、それは監督の気持ちを代弁してきたからであって、強いチームにはそういった憎まれ役が必ずいるもの。その点で、矢野監督はコーチ人事において生え抜きと外様の絶妙なバランスを取ったようだ。
「阪神は外国人野手が当たった年は強い。近年はハズレばかりでしたが、谷本修球団本部長は『自信アリ』と言い切りました。最下位に沈んだ今季、阪神内部で唯一、ガッツポーズが出たのは梅野隆太郎の成長です。生え抜き捕手で規定打席に到達したのは、’88年の木戸克彦氏以来。’85年の優勝、日本一の基盤となったのは、捕手の固定化でした」(同)

 また奇妙な傾向もある。

 巨人と阪神のライバル球団が同時期に指揮官を変えたのは、過去5回。1961年、’75、’02、’04、’16年だが、阪神が巨人よりも順位が上だったのは、’75年の吉田義男氏と長嶋茂雄氏の監督就任イヤーだけだった。その巨人との因縁関係を照らし合わせると、「阪神不利」となるが、注目すべきは「フロント人事」だ。

 監督とオーナーを同時に交代させたのは、’84年オフ以来。坂井信也前オーナーは金本監督の退陣を明るみに出した直後、自らも退任する会見を開いている。
「現場の長とフロントトップが同時期に代わるのは、マイナスのイメージもあります。でも、’84年オフはその緊張感がフロント職員に伝わり、新体制を支えようとする使命感に繋がりました」(前出・在阪記者)

 現場とフロントが一丸となった’85年、第二次吉田政権が優勝、日本一へと駆け上がったことは説明するまでもないだろう。
「当時、安藤統男監督の続投が一度決まってからの急転直下でした。今回の金本政権の崩壊から矢野監督の誕生までが’84年オフに酷似しています」(同)

 藤浪の復活、ベテラン野手のヤル気と藤川、憎まれ役の参謀招致、計算の立つ助っ人、’85年再来の兆し―。怪奇的な5つの前兆が見られる阪神が、’19年ペナントレースの本命に躍り出る可能性は高い。

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