葉加瀬マイ 2018年11月29日号

話題の1冊 著者インタビュー 鈴木智彦 『ヤクザ専門ライター 365日ビビりまくり日記』 ミリオン出版 1,200円(本体価格)

掲載日時 2015年10月25日 18時00分 [エンタメ] / 掲載号 2015年10月29日号

 −−山口組分裂騒動で、本誌を含めた各メディアが盛んに報道していますが、とても忙しい日々を送っていると聞いています。

 鈴木 忙しい。“50年に一度”の騒動とみていて神戸、名古屋と動いている間に、普段は会ってもらえないような東京の偉い幹部に呼ばれてと、取材の予定も組めない状況で約束を飛ばしまくりました。今はだいぶ落ち着いてきましたが、それよりも取材費の持ち出しが重なり、動けないのが困りました。出版社の原稿料が入るのはだいたい1〜2カ月後で、各社に「仮払いして!」と泣きました(笑)。

 −−今後、ヤクザ社会は、どう収束していくと見ていますか?

 鈴木 事件が起きて、どうなるかという段階でしょう。喧嘩や殺し合いがあるかもしれませんが、今は使用者責任の問題もあって簡単にヤクザも動けませんから、突発的に“元暴力団員”を使って事を起こす可能性はあるでしょう。

 −−なぜ、あえて危険を伴う「ヤクザ専門ライター」になったのでしょうか?

 鈴木 20代の頃は、年間250日海外で撮影するカメラマンでした。あるときアメリカで、ある大物の舎弟に会い「ヤクザを撮りたい」と思った。それでヤクザ専門誌に応募したんだけど、編集しかいらないっていうので、書くことも、仕方なく。海外に行くとき、スーツケースに文庫本を詰め込んで、読みあさっていたのが良かったのかも。

 −−この本にもありますが、福島第一原発に作業員として潜入したり、カンボジアまでヤクザを追いかけたり、一般人ではあり得ない日常を送っていますね(笑)。

 鈴木 今年は別の媒体でウナギを追っていたのですが、これも密漁・密輸にヤクザが深くかかわっているから。原発に作業員を口入れしているのもヤクザ。別の世界のようでいて、根底はつながっている。あり得ない日常といえば、車に乗り込もうとしたら窓ガラスが真っ白になっていて、「霜か…待てよ、そんな季節じゃねーぞ」と思ったら、ガラスを割られていた。部屋にヤクザが押し込んできて、目の前でパソコン一式を破壊されたり。あり得ないと言っても、そのくらい(笑)。

 −−今後はどのような取材をしていく予定ですか?

 鈴木 今月、イタリアで世界最大のウナギ祭りがあって、世界中からブローカーやらが集まるのでチケットを買いましたが、ヤクザ取材を置いて行けるのかどうか。近々の見通しすら立たないですからね。脅し、すかされながら、これからも取材していくんでしょう。あまり儲からないけど。
(聞き手:編集部)

鈴木智彦(すずき ともひこ)
1966年北海道生まれ。ヤクザ専門誌の編集長を務めた後、フリーに転身。主な著書に『ヤクザと原発』(文春文庫)、『ヤクザ500人とメシを食いました!』(宝島SUGOI文庫)のほか、共著も多数。

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