菜乃花 2018年10月04日号

崩壊の予兆か…北朝鮮デノミ失敗責任処刑と金正日の逃亡資金3600億円

掲載日時 2010年03月25日 00時00分 [社会] / 掲載号 2010年4月8日号

 金正日国防委員長の余命は3年−−。米政権で朝鮮半島問題を担当する国務省のキャンベル次官補(東アジア・太平洋担当)は、韓国滞在中の2月3日、元北朝鮮高官の脱北者や北朝鮮問題の専門家を大使館に招き情報交換、米国の持つ情報を重ね合わせこう結論づけた。
 「昨年末に実施したデノミネーション(通貨改革)の失敗で、食糧難から金委員長の誕生日(2月16日)に発砲暴動事件が起こるなど、これまで経済失策につぐ失策を重ねてきた金正日体制は瓦解寸前。そこで頼るのは中国。今月末に予定されていた韓国有力政治家と胡錦濤国家主席との面談が延期されたことから、この時期に訪中する可能性が高い。欧州の銀行にある40億ドル(約3600億円)の秘密資金凍結の動きが出てきたことから、それを阻止するために6カ国協議に復帰、米中韓からの援助を引き出し、体制の立て直しを図るつもりでしょう」(北朝鮮ウォッチャー)

 将軍様には“前科”がある。
 「'06年、米国との直接対話以外は応じないと主張して譲らなかった北朝鮮が、電撃的に6カ国協議へ復帰したことがある。この豹変の背後には、国連安保理の経済制裁を受け、スイス経済省が、秘密口座凍結に動くのを避けるためでした。当時スイスには最低で20億ドル(1800億円)があるといわれたから現在倍増している。輸入タバコの再輸出、100ドル偽造紙幣(スーパーノート)、武器取引、保険金詐欺などで将軍様が世界の銀行に保有している現金は50億ドル(約4500億円)以上。国民の飢えより、私財を優先する性格からすると、カネのためなら中国の犬になってもいいと考えるでしょう」(北朝鮮に詳しいジャーナリスト)

 3月15日付の英紙は、この秘密資金の存在を明らかにし、スイスの複数の銀行から現金を引き出した上、ルクセンブルクの複数の銀行に移されたと指摘した。
 デノミと同時に強行されたのが、国家安全保衛部と人民保安省(警察)、最末端の人民監視組織である人民班によって行われた全国の闇ドル両替商の一斉検挙だ。
 「それ以前は、ドルを北ウォンに両替せずに、市場などでそのまま使うことができた。つまり民心は、金正日よりドルが頼り。役人より両替商が大切なのです。が、これを全面的に禁止したことで、富裕層は反革命分子化し、金正日の神格化は瓦解した。これを避けるために行ったのが、デノミを実施した朴南基・党財政計画前部長(75)の公開銃殺刑です」(同)

 朴南基は今月初めに平壌市順安区域にある射撃場で銃殺されたという。脱北者が運営するラジオ放送『自由北韓放送』も「朴部長が、すべての責任を取って銃殺されたという噂が平壌で聞かれ始め、地方に広がっている」と報じた。
 ドルのみを“紙(紙幣)”とあがめる民心が、こんな処刑程度で「金正日マンセイ!」に戻るほど甘くはないぞ。

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