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熊本地震と連鎖する西日本大震災 京都、愛媛、鹿児島が危ない(1)

掲載日時 2016年05月06日 12時00分 [社会] / 掲載号 2016年5月12・19日合併号

 4月14日から発生した熊本地震発生以降、余震の震源域は拡大し続ける一方だが、この現象は何を物語っているのか。
 熊本地震の震源域西側に注目すると、16日から小規模地震が熊本県八代市などでも頻発し、19日午後6時前にはM5.5が発生、最大震度5強を観測した。気象庁は今後、活動域が南西側に広がる可能性について「全体的にどこで発生するか分からず、予測は非常に難しい」と説明している。
 現状について、地震学者の武蔵野学院大特任教授・島村英紀氏はこう話す。
 「熊本地震で“留め金”が外れてしまった。あそこの断層はお互いが寄り掛かり合い成り立っていたのですが、バランスが崩れてしまったのです。しかも、エネルギーは十分に溜まっている。そのため地震が頻発して震源が移動するのです」

 世界的に見ると震源が移動する例は、地中海に面するトルコの北西部で起きたイズミット地震が挙げられるという。
 1999年8月17日、コジャエリ県イズミット市を中心にM7.8の大きな地震が発生し、死者は約1万7000人にも上った。トルコ北部には北アナトリア山脈が東西に連なっている。その南麓沿いに1000km以上に及ぶ北アナトリア断層が走っているのだが、イズミット地震はその西端付近で発生した。
 「北アナトリア断層はトルコ付近に位置するアナトリアプレートの北縁にあたり、ユーラシアプレートとの境界をなしている。この断層では1939年にも東端部でM7.8の大地震が発生し、死者約3万人に及ぶ被害が出ましたが、その後も'42年、'43年、'44年、'57年、'67年と、いずれもM7級の地震が5回、しかも、震源を西に移動させながら発生したのです」(前出・島村氏)
 しかしそれ以降、大きな地震は起きなかったため、さらにその西側が専門家の間では“地震空白域”として警戒されていた。そして予想通り、'99年に巨大地震が襲ったのだ。

 これと同じような現象がいま、日本で起きているという。現在動いている日奈久断層帯の南西側の延長線は鹿児島県にある九州電力川内原発の方向へ伸び、さらに沖合まで達しているとされる。川内原発は八代市からわずか約80キロだ。
 「熊本地震の加速度は1580ガル。一方、川内原発の耐震強度は、強化しても620ガルなのです。もし、同程度の直下型地震が川内原発の真下で起きた場合、原発事故が高い確率で起きるでしょう。原子力規制委が原発を止めないのはどうしてなのか、少々考えづらいことです」(前出・島村氏)

 一方、熊本地震震源域の東側はどうか。こちらも16日の本震以降、熊本の阿蘇地方、さらに大分県中部を震源とした地震が多発。21日夜には、四国沖でM4.3の地震が発生しており、徐々に東へ移動しているように見える。
 地震予知連絡会会長の平原和朗・京都大教授もやはり「今後、何が起こるか分からない」とした上で、「大分の地震は(熊本地震の)震源地から100キロ近く離れており、余震とは考えにくい。大分県の別府-万年山断層帯が誘発されて動いた可能性もある」と語っている。

 防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏もこう話す。
 「熊本地震では誘発型地震が頻発しています。東日本大震災によって日本中の断層が変形しており、非常に不安定な状態になっている。誘発型地震は今後も発生すると思われ、川内原発同様、愛媛県の四国電力伊方原発も非常に危ない。我々が生きている間は動かないと言われた中央構造線断層帯が動くと、何が起きても不思議ではない感じがします。まさに地震の活動期ですよ」

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