義理人情の庶民を欺く 下手人菅直人10の罪状!(1)

政治・2011/06/16 11:00 / 掲載号 2011年6月23日号

 「ええかげんな奴じゃけ、ほっといてくれんさい」
 岡山県生まれ、長州育ちを自称する菅直人首相に居直られても、国民は唇を噛みしめるだけだ。

 菅首相の退陣“ほのめかし”は、枝野幸男官房長官、仙谷由人官房副長官、岡田克也幹事長ら政府・民主党の3幹部が仕組んだ巧妙なワナだった。鳩山由紀夫前首相が菅首相との直接会談で取りつけた“言質”があればこそ、小沢一郎元代表の反菅グループも自主投票に方向転換したが、首相サイドの方が1枚も2枚も上手だった。
 東日本大震災の被災者そっちのけで繰り広げられた菅降ろしのサル芝居。自分らの地位保全にこれだけ知恵が回るなら震災復興にも使え、と言いたくなる。

 やれやれ、不信任案を否決され続投が決まった途端に首相が本腰を入れたのが消費税増税だ。
 6月2日夕刻に開かれた社会保障と税の集中検討会議で、消費税を'15年度までに10%に引き上げる計画案を決定。首相曰く「全体像を示し、費用推計を示している点で画期的」と、つい数時間前まで菅降ろしに怯えていたのに、臆面もなく自画自賛した。
 低所得者層の中でも少額年金生活者、障害者などは、年金や福祉に回るカネは先細る一方で、税金だけが増えていく。「机上の計算で生涯所得からすれば不公平感はない」(首相サイド)と言われても現実の痛みは解消されない。
 また、首相サイドは「欧州の消費税に比べれば日本の税率は低い」というが、これは庶民を欺くペテンだ。

 そもそも欧州には消費税はない。存在しているのは付加価値税で、これはインボイスと呼ばれる請求書を使い、払った税額を確定する間接税で、軽減税率の適用もある。
 「景気への影響は少ない」に至っては完全にサギだ。
 菅政権は「3%から5%に引き上げた'97年の景気が悪化したと言うが、消費支出の落ち込みはGDP比でわずか0.06%にすぎなかった」と強弁するが、これは増税前の駆け込み消費と、その後の反動減を取り除いて算出した数字。消費税増税を「震災復興の財源」と言われれば、義理人情に厚い日本人は「仕方ない」と首相=財務省の描いた“絵”にはまってしまう。そうなれば、庶民生活はますます追い込まれる。

 3カ月たっても瓦礫は山積み、義援金の分配もない。
 仙台市などはまだいい方で、放射能まみれの福島第一原発(1F)30キロ圏内の瓦礫はまったく撤去が進んでいない。義援金に至っては、岩手、宮城両県の支給率は一桁。さすがに福島県は70%に達しているが、今なお多くの被災者が避難所でコインランドリーの洗濯代にも事欠く無一文同然の暮らしを強いられている。
 「瓦礫の山を前に環境庁は『ゴミの分別』などと平和ボケのままだし、義援金を受け取るには戸籍謄本の写しや罹災証明が必要などとトホホなお役所仕事ばかり。首相が先頭に立ち、特別立法や時限立法などのシステムを作らなければ、被災地の生活は地獄のままです」(東北ブロック紙記者)

 浜岡原発停止、裏側に透けて見える薄汚い思惑。
 菅首相は、マニフェストを全部引っ込めて政治主導から官僚主導という真逆の方向に走り出した。そのくせ、やたらと記者会見を開き「国民の皆さん」と訴える。国民には首相発言の薄っぺらさといい加減さが透けて見えてしまう。浜岡原発停止がまさにこれだ。
 「国民の皆様に重要なお知らせがあります」。こう切り出して反原発関係者をも驚かせた中部電力に対する浜岡原発の全面停止要請。これは5月26、27日に開催された仏ドービル・サミットへの手土産の一つだった。
 「中電への停止要請が思いつきだったのは、原発政策を全面的に見直す覚悟がないことからも見て取れる。民主党は昨年6月、2030年までに原発による電力供給を現状の3割から5割近くまで高めるエネルギー政策をまとめている。そのために原発14基の新設を計画中で、こちらをどうするのか言及していない。1F事故で『他の原発も止めろ』という原発停止ドミノを封じるための首相と経産省が仕組んだ“中電・いけにえ策”に騙されてはいけない」(経産省担当記者)

 そのサミット出席がこれまた日本への信頼を大きく失墜させた。
 何と日本の示した新たなエネルギー政策は、7年前に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が示したデータを焼き直したものにすぎなかったのだ。
 「目標は過去の数値を使い、経産省が看板を掛け替えただけ。これも菅=経産省の世界に向けた偽装です」(反菅政府関係者)

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