激増する日本へのタイ人観光客に自国政府が発した異例の警告内容

社会・2015/07/04 17:00 / 掲載号 2015年7月16日号

 夏の観光シーズンを前に日本を訪れるタイ人観光客に対し「日本では万引きは重い犯罪である」との異例の“警告文”を、在京のタイ大使館がフェイスブックに掲載し、話題となっている。

 大使館によると、日本のあるテーマパークを訪れたタイ人女性観光客が、つい出来心でパーク内の売店で数千バーツ相当の商品を万引きしてしまい、それが売店の店員に見つかってしまった。この女性は商品を返し、謝罪したので「罰金で済むだろう」と考えていたという。
 ところが、店員から報告を受けた副店長が警察に通報。女性は身柄を一時拘束され、窃盗容疑での起訴が検討される事態に。そのため、検察庁の判断がでるまで日本を出国することができなくなったこの女性は、約2カ月タイに帰国できない状況となった。
 「この女性は面会に訪れたタイ大使館関係者に事態打開をお願いしたが、『日本の法律を犯した以上、大使館としても一切介入することができない』と説明された。そこで女性は、大使館に対し他のタイ人観光客が同じ過ちを犯さないために自らのケースを役立て、警鐘を鳴らすよう求めたのです」(全国紙社会部記者)
 これを受けた大使館は「万引きは犯罪で訴追の恐れがあり、大使館は日本の司法に介入できないので十分注意するように」との警告文の掲載を決めたという。

 今年1月から3月までに日本を訪れたタイ人観光客は29万9000人と昨年同比で約30%増え、国別では6番目に多い観光客が来日している。タイのテレビ番組による「日本紹介」は人気が高く、アニメを中心とする日本文化や日本食などへの関心もあり、タイ人の日本ブームが続いている。
 それだけに大使館としても、公権力介入で万引きは罰金で許され解決できるという“タイ方式”は「日本では通用しない」ことを胸に刻むよう自国民に訴えているのだ。

関連記事
社会新着記事