葉加瀬マイ 2018年11月29日号

中国が警戒 トランプ大統領とプーチン大統領の電撃訪朝(1)

掲載日時 2017年10月17日 14時00分 [社会] / 掲載号 2017年10月26日号

 9月末、イランが《国産の多弾頭新型弾道ミサイル『ホラムシャハル』(射程2000キロ)の試射に成功した》と発表した。これに対し、オバマ前大統領が長い時間をかけて実現した核合意を見直す立場を鮮明にするトランプ大統領が黙っているとは思えない。イランがホラムシャハルに北朝鮮製の核を搭載させる可能性を考え“北の核つぶし”に動くのは目に見えている。
 「イランが射程8000キロの長距離弾道ミサイルを持てば、英国などNATO(北太平洋条約機構)加盟国も安穏とはしていられません。結局、北の核を巡り世界が妥協する可能性は急速にしぼんだと見て間違いないでしょう」(軍事アナリスト)

 だからロシアは火消しに躍起だ。プーチン大統領は10月4日、2000年頃、金正日総書記から「原爆を保有している」と直接伝えられていたことを明かした。本音は次の発言だ。「原爆保有から水爆の保有に至った今、力ずくでモノを言っても体制を強くするだけだ」と米国の先制攻撃にくぎを刺している。
 一方、中国はイラクのフセイン元大統領やリビアのカダフィ大佐の“成れの果て”を知っている金正恩委員長が、日米欧の要求通りに核を放棄しないことを熟知しているため、経済制裁に本腰を入れようとしない。

 欧州も朝鮮半島の危機に目覚めたようで、ドイツのメルケル首相は9月10日の独紙のインタビューの中で、難題克服に向け調停役を申し出ている。
 「軍事衝突の恐れが出てきた朝鮮半島を、トランプ大統領には任せておけないという危機感が働いているのでしょう。日米韓の3カ国を中心とした対北政策が、軍事衝突以外の他の選択肢がなくなった場合、対話、外交路線を主張する欧州の調停に委ねてみるのも一つの策かもしれません。いずれにしても、欧州が朝鮮半島の情勢に強い関心を持ち出したことは決してマイナスにはなりません」(国際ジャーナリスト)

 こうした西側の包囲網を打開するため、このところ北朝鮮外務省の崔善姫北米局長の動きは急速にロシアにシフトしている。崔局長が中国を避け、利便性で劣るウラジオストク経由でモスクワ入りし、1週間の滞在中、朝鮮半島問題担当のロシアのブルミストロフ特任大使やモルグロフ外務次官との長時間会談に臨んだ。
 「北朝鮮問題のキーパーソンは崔局長-ブルミストロフ大使-米国務省のジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表のラインです。連邦保安庁所属のブルミストロフ氏は旧KGB出身で、プーチン大統領の側近としてかなりの権限を与えられています。米ロ朝は今年5月から断続的に接触し、北朝鮮の核・ミサイル開発凍結に向けた対話再開の糸口を探っていますが、北朝鮮としては米国が核保有国として認めることが最優先で、この国家方針は絶対に変えません。これに対し米国は、北が核を放棄したら交渉に応じてやるという姿勢です。双方が対話を求めてもテーブルに着く前提が『保有』と『放棄』で正反対なのですから着席しようがないのです。手詰まりで訪ロした崔氏の最大使命は、プーチン大統領に訪朝してもらい米国との仲介役を頼むことでしょう。ユン代表にはトランプ大統領の訪朝さえ持ち掛けているかもしれません」(同)

 北朝鮮のように外国に向かって「核で先制攻撃するぞ」と脅した国は人類史上かつてない。そんな国は、本来なら米国に先制攻撃されても文句は言えないが、ソウル首都圏約2600万人(韓国総人口の約半分)を人質に取る金正恩委員長には馬耳東風だ。

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