名医・博士の健康術 ★今週のテーマみそ汁〜体調に合わせた具材の選び方〜

健康・2019/10/31 12:00 / 掲載号 2019年11月7日号
名医・博士の健康術 ★今週のテーマみそ汁〜体調に合わせた具材の選び方〜

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 今週のテーマみそ汁〜体調に合わせた具材の選び方〜

疲れたときに、風邪に、疲れ目、ストレスに…効く!不調に合わせた“健康みそ汁”を医師が伝授!!

 みその主原料である大豆は、良質な植物性たんぱく質が豊富で、「畑の肉」とも呼ばれる。他にも、代謝を促進させるビタミンB1・B2、強い抗酸化作用があるビタミンE、神経を健康に保つ作用があるビタミンB12、コレステロール値を下げるレシチンなど、みそには多くの栄養素が含まれているが、これだけ栄養素が豊富な食材は、みそを置いて他にはない。

 みそ汁は、この万能食材を一度にたくさん、なおかつ手軽に摂ることができる。しかも、疲れやストレス、風邪、疲れ目、二日酔いといった不調に合った具材を加えることで、健康効果はさらに高まる。

「みそ汁は『切る』→『煮る』→『みそを溶く』の3ステップで完成するので、料理が苦手な方でも簡単に作れます。『体にいい食品』というのは、毎日続けて食べなければ健康効果は期待できません。その点、みそ汁は具材でバリエーションを増やすことができるので、無理なく続けられるというメリットもあります」とは、イシハラクリニック副院長で、講演や執筆でも活躍する石原新菜先生。しかし、どんなに健康パワーがあっても続けなければ意味がないので、まずは疲れや風邪、ストレスといった不調に合った食材をチェックし、みそ汁を作るときの助けにしよう。
疲れをなくす

ビタミンB群

不調(1)疲れ
 代謝が悪く、三大栄養素(糖質、脂質、たんぱく質)が効率よくエネルギーとして利用できないと、疲労感が出やすくなる。こうした状態を改善させるのに有効なのが、ビタミンB1やB2、B6などのビタミンB群だ。
「ビタミンB群は豚肉やスパムに多く含まれているので、みそ汁の具材にこうした肉類を加えると、疲労回復の効果が期待できます。肉でいえば、イミダペプチドという疲労の予防や回復が期待できる成分を含む鶏のむね肉もおすすめです」(石原先生)

 血流をよくするニンニクやネギの“におい成分”であるアリシン、疲労物質を分解するクエン酸を含む酢やレモン、エネルギー代謝を活発にするアスパラギン酸を含むグリーンアスパラも有効なので、これらも具材として加えれば、さらなる疲労回復の効果が見込める。

(2)風邪
 体の免疫力が低下したタイミングで、菌やウイルスが体内に入ると、風邪をひいてしまう。免疫力は体温が低いとうまく働かないので、体温を上げる効果があるたんぱく質を摂ることが、風邪防止の近道になる。

「たんぱく質は牛乳やチーズ、ツナ缶などに多く含まれているので、だし汁3:牛乳1の割合で作るミルクみそ汁もおすすめです。このとき、粉チーズを具材として加えれば、効果はさらに期待できます」(石原先生)

 他にも、しょうがのジンゲロールには体を温める作用があり、ミニトマトや根菜類に多く含まれるビタミンA、C、Eの抗酸化ビタミンは、免疫力を強くする作用があるので、一緒に摂ると効果的だ。

★ストレスや疲れ目を改善

(3)疲れ目
 目の周りの筋肉の血行が悪くなったり、硬くなることで、疲れ目は起きやすくなる。そのため、目の周囲の血行をよくするビタミンE、角膜や網膜、水晶体を健康に保つビタミンAやビタミンCを摂るとよい。こうした栄養素は、かぼちゃや水菜、サラダ菜などから多く摂ることができる。

 また、ナスやみょうがに多く含まれるアントシアニンは、植物の紫色の色素成分で、網膜に必要な成分である。他にも、鮭やえびに含まれるアスタキサンチンは、活性酸素を抑制して目の周りの血行をよくするので、疲れ目にも効果がある。

(4)ストレス
 ストレスを感じると、体を守るために副腎皮質からホルモンが分泌される。この時、ビタミンB群やたんぱく質、ビタミンCが使われるので、これらの栄養素を摂ることがストレス解消の近道になる。

 また、カルシウムが足りないと神経細胞が刺激を受け、イライラがたまっていく。チンゲンサイや桜えび、もやし、厚揚げ、小松菜などにはカルシウムが多く含まれているので、これらを具材として入れるとよい。

★具材の工夫で効果が高まる

(5)二日酔い
 二日酔いになるほどアルコールを過度に摂取すると、胃の粘膜が刺激されて食欲がなくなる。空腹のままだと胃粘膜がさらに荒れるので、じゃがいもなどの炭水化物を入れたみそ汁を食べて胃粘膜を保護しよう。

 また、二日酔いはアセトアルデヒドという有害物質が原因で引き起こされるが、トマトに含まれるリコピンにはその作用を抑える働きがある。他にも、みそ汁の具材の定番であるしじみに含まれるオルニチンは、肝機能を高めてくれるので、二日酔いの予防に役立つ。

※ ※ ※

 他にも、みそ汁は冷え性や便秘、肩こりといった不調の改善に役立つ。基本的には何でも合うので、自分の健康が気になる人は、とりあえずみそ汁を作って食べることから始めてみよう。

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監修/石原新菜先生
イシハラクリニック副院長。ヒポクラティック・サナトリウム副施設長。2006年帝京大学医学部卒業。現在は父・石原結實氏のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法による治療にあたる。テレビ、講演、執筆などでも活躍中。

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