葉加瀬マイ 2018年11月29日号

執念の捜査で追い詰めた犯人が最後まで認めなかった“わいせつ目的”(2)

掲載日時 2018年04月29日 23時00分 [官能] / 掲載号 2018年5月3日号

 たびたび桃香さんと口論している様子が近所の住民たちに目撃されており、事件の1カ月前には自宅で大ゲンカをして、近隣の通報で警察が出動する騒ぎを起こしていた。居酒屋の同僚たちにも「元カレが家に押し掛けてくるので困っている」「元カレに殴られて青あざができた」などと話していた。さらに事件直前には下の階の住民が大きな物音を聞いており、こっそり桃香さんの部屋の様子を見に行くと、「うー、何で…」という桃香さんのうめき声が聞こえてきた。しかし、男の声は聞こえてこなかったので、その日は警察に通報することなく退散した。
 これだけの下地があったのだから、元カレが疑われるのは当然だった。
 「オレじゃない!」
 元カレは頑強に容疑を否認した。まるでドラマのような展開。元カレも指紋、靴型、DNAを採取されたが、桃香さんの爪の間から見つかった犯人のものと思われる成人男性の皮膚片とは一致しなかった。

 不思議なことに部屋の中からは犯人の指紋さえ検出されず、ドアノブは桃香さんの指紋さえ拭き取られていた。桃香さんの唇や乳房からは男の唾液が検出されたが、激しく抵抗した様子はなく、無理やり服を脱がされた形跡もなかった。事件直前に着ていた服や自宅のカギ、財布、布団のシーツなど十数点がなくなっていたが、スマホは持ち去られておらず、引き出しを荒らされた形跡もなかった。
 「犯人はよほど周到に計画を練って、犯行に及んだに違いない」

 さらに捜査を進めるうち、第3の男というべきストーカーの存在が明らかになった。この男は日頃から、桃香さんの生活を注視していた節があり、付近の防犯カメラにたびたび写っていた。ところが、この男のDNAも桃香さんの遺体に残されていたDNAとは一致しなかった。
 捜査は振り出しに戻った。警察は桃香さんと交友関係にあった人物を片っ端から調べたが、いずれも犯人のDNAとは一致しない。警察に保存されている前科前歴者のDNA型データベースでも一致する人物は見つからなかった。

 「こうなったらローラー作戦しかない」
 警察は被害者宅から半径500メートル圏内に住む75歳以下の成人男性に対し、任意のDNA鑑定を実施。仮に協力を拒んだ場合、その理由を追及すれば、自白する可能性もある。とにかく犯人に接触できさえすれば、逮捕できると考えていた。
 ところが半年がすぎ、検査対象が1000人を超えても、犯人と一致するDNA型を持った人物は見つからなかった。そこで警察は事件後に転居した人物まで捜査対象を拡大。その中に交じっていたのが真犯人の矢吹政広(37)だった。

関連タグ:男と女の性犯罪実録調書


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