森咲智美 2018年11月22日号

三菱自動車がフィリピンでひっそり『ミラージュ』生産開始の思惑

掲載日時 2017年03月09日 14時00分 [社会] / 掲載号 2017年3月16日号

 スラム街や治安の悪さなどのイメージが先行するフィリピンだが、近年は経済が堅調に拡大しており、昨年の自動車販売台数は40万台超えと前年比で25.2%増の推移を見せた。
 「最も売れている自動車メーカーはトヨタ、そして第2位のシェアを誇るのが三菱自動車です。トヨタと三菱自だけで新車販売の半数以上を占めていますから、そのブランド力は圧倒的と言えます」(経済誌記者)

 そんなフィリピンは2015年に導入された「包括的自動車産業振興戦略プログラム」により、自動車の国内生産に力を入れている。内容は国内生産した車に対して補助金などの恩典を与えることで、自動車の国内生産を促進させる目的だ。
 「このプログラムにトヨタと三菱自から、それぞれ1車種ずつ選ばれました。三菱自からは『ミラージュG4(アトラージュ)』で、2月17日に現地工場の製造ラインが稼働を開始しました」(同)

 『ミラージュ』と言えば、三菱自を代表するコンパクトカーとして知名度は高く、'00年に一度生産を終了したものの、'12年に“6代目”として復活。その際はタイ工場で生産し、日本への逆輸入で話題となった。
 しかし、目の肥えた日本のユーザーはタイ製『ミラージュ』に見向きもせず、当初の目標値の半分ほどしか売れなかった。
 「そもそも6代目は世界戦略車として開発され、特に東南アジアをはじめとした新興国市場を意識していました。日本人が車に求めるものと、かけ離れているのは当然です。今回も日本のマーケットなどは意識していないでしょう」(自動車アナリスト)

 日本国内で販売不振の三菱自が海外で積極的な展開を図るのは理解できるが、一方で昨年、米フォードが日本事業を撤退させるなど、あえて日本市場を軽視しようという動きもある。米トランプ大統領がにおわす“ジャパン・バッシング(日本叩き)”だけでなく、海外企業が日本の存在感を軽んじる“ジャパン・パッシング(日本素通り)”まで加速するかもしれない。それは考え過ぎか…。

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