菜乃花 2018年10月04日号

LiLiCoオススメ「肉食シネマ」 “誰かに必要とされる気持ち”って大切です! 『終わった人』

掲載日時 2018年06月08日 18時00分 [エンタメ] / 掲載号 2018年6月14日号

LiLiCoオススメ「肉食シネマ」 “誰かに必要とされる気持ち”って大切です! 『終わった人』

 お仕事お疲れ様です。『週刊実話』は、幅広い年齢層の方が読んでくださっていると思いますが、この作品は定年が迫っている方に一番、刺さるかもしれません。“奥さんとはマンネリ、お互い空気みたいなもの”と感じている人は、今作を見に行って、また熱い気持ちを取り戻しましょう!

 主人公は一流企業のエリートコースを歩んできた田代壮介。同期のライバルに負けて出世コースから外れ、そのまま定年退職を迎えますが、早くも次の日には、時間をどう使えばいいのか迷います。やることがない、家での居場所もない。老いを一気に感じてしまう。
 この田代を、すごくお茶目に演じているのが舘ひろしさん。個人的にも大変お世話になっています。というのも、1996年発売の舘さんのアルバム『ストレンジャーズ・イン・ザ・ナイト』で私、コーラスを務めさせていただきました。それから、さまざまなイベントでご一緒させていただいていますが、毎回、私のことをイジり倒します(笑)。そんな、面白くてスーパーカッコいい舘さんが、サエないおじさんをコミカルに熱演するのです。
 普通、マスコミ用の試写会ってとても静かで、いつも大声で笑うのは私を含めて数人なのに、今回に限っては、人生の先輩方が多かったせいか大爆笑の連続! “ちょいワルオヤジ”の舘さんが“カッコ悪オジサン”を演じることで、その行動や心情が可笑しくて笑わずにはいられないのです。
 何かを勉強するパワーに満ちている田代は、開き直って「恋をする」と決めるのですが、そこで待っていた運命は…。

 バリバリ働いていた人がいきなり次の日から何もすることがないのは老いが早い。誰でも若々しくいたいと思いますし、何かに向かって頑張っているオジサンはすごく素敵だと思います。
 今回の一番のツボは、田代の恋の相手であるカルチャースクールの受付の浜田(広末涼子)とのやりとり。田代と浜田の気持ちの行き違いが面白い。第2の人生を楽しもうとする田代の葛藤と迷い、ハートウォーミングな1本です。
 監督は『ザ・リング』などでお馴染みの中田秀夫氏。そして主題歌は布袋寅泰さんが台本を読み込んで書き下ろし、今井美樹さんが歌う『あなたはあなたのままでいい』。

 定年がまだ先のあなたも、間もなくのあなたも、見方は違うでしょうけど、きっと何かを心の底で感じ取れるはず!

画像提供元
(C)2018「終わった人」製作委員会

■『終わった人』
原作/内館牧子「終わった人」(講談社文庫)
監督/中田秀夫
出演/舘ひろし、黒木瞳、広末涼子、臼田あさ美、今井翼、田口トモロヲ、笹野高史
配給/東映

 6月9日ロードショー。
 大手銀行の出世コースから子会社に出向し、そのまま定年を迎えた田代壮介(舘ひろし)。これまで仕事一筋の人生を歩んできた壮介は途方に暮れる。公園、図書館、スポーツジムなどへ時間を潰すために立ち寄った先は老人ばかり。昔の輝きを失った夫と向き合えない美容師の妻・千草(黒木瞳)とは、次第に距離を置かれ、「このままでは終われない」と、職業安定所で職探しを始めるも、高学歴と立派な職歴が邪魔をして思うように仕事が見つからない。そんな中、ある人物との出会いによって運命が大きく動き出し…。

LiLiCo:映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS「大様のブランチ」「水曜プレミア」、CX「ノンストップ」などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。

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