彩川ひなの 2018年7月5日号

監獄行きで自然消滅した恋人 偶然の再会で“恐怖”拉致監禁の旅(3)

掲載日時 2017年09月04日 23時00分 [事件] / 掲載号 2017年9月7日号

 美奈さんは山井と連絡を断ち、1カ月ほどマンガ喫茶などですごし、「もうそろそろ大丈夫だろう」と思い、実家に戻ったところ、何とそこにヌッと山井が現れた。
 「てめえ…、今までどこへ行っていた。ふざけるんじゃねえ!」
 その場でいきなり拉致され、車に乗せられた。

 それからあてもない放浪の旅が始まった。昼も夜もラブホテルを渡り歩いてセックス三昧。
 「お前が逃げる気がなくなるまで、何度でもヤッてやるからな!」
 山井はたまりにたまった精液をドクドクと放出する。美奈さんは毎回、中出しされるたびに狼狽し、このままでは本当に妊娠してしまい、この男から一生逃れられないのではないか、と絶望的な気分になった。

 それから6日目、ついに美奈さんは脱出を図った。山井のタバコを購入する使いでコンビニに入店した際、店員に「彼氏に脅されている。警察に通報して」と頼んだのだ。
 現地の警察が駆け付け、山井は目を白黒させたが、「地元に帰る日を巡ってトラブルになっていただけだ」と言ってごまかした。
 「彼女は今すぐ帰りたいって言ってるじゃないか」
 「すみません。すぐに帰りますんで…」

 その日の夜、地元まで帰ってきたものの、「最後の思い出として高級旅館に泊まろう」と言って、温泉街にまぎれ込んだ。
 もはや限界になっていた美奈さんは女湯に入るフリをして、浴衣姿のまま脱出し、タクシーで帰宅。母親に被害を訴えた。

 山井からは未練を告げる電話が何度もかかってきた。
 「勝手に連れ回したのは悪かった。別れたくない」
 「この期におよんで、よくそんなことが言えるわね!」
 「警察に言ったのか?」
 「言ってない」
 「だったら、ホテルに置き忘れていったものを渡したい。会ってくれないか」

 美奈さんは近所のコンビニの駐車場で山井と会うことにした。そこには美奈さんの母親も付いて行くことにした。
 ところが、山井は美奈さんの母親の姿を認めるや、「2人の間の話なのに、親は関係ないだろう。何で出てくるんだ!」と言って怒り出した。
 だが、美奈さんの母親もこれまでの鬱憤をすべて山井にぶつけた。
 「何言ってるの? あなたが高校時代の娘に何をしたのかも知っているのよ。あなた、監禁レイプの常習者でしょう。今後も付きまとえば、警察からストーカー規制法に基づく警告を受けるわよ!」

 カッとなった山井は隠し持っていた唐辛子入りの催涙スプレーを母親に吹き掛けた。目が見えなくなった母親を突き飛ばし、美奈さんの髪の毛をつかんで引きずり回し、再び車に乗せて拉致しようとした。
 その悲鳴を聞きつけてコンビニ店員が110番通報。山井は逃げたが、傷害容疑で逮捕された。
 「今回の逮捕は納得いっていない。警察に届けていないという前提で話をしに行ったのに裏切られた。出たら、必ずお礼参りに行く」

 改正刑法でいくら性犯罪を厳罰化しようとも、こういう男から離れるためには、とにかく逃げるしかないのだろうか。
(文中の登場人物はすべて仮名です)

関連タグ:男と女の性犯罪実録調書

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