葉加瀬マイ 2018年11月29日号

熱き侍たちが躍動!! メジャーリーグ Times メジャー行きが確実なオリ守護神・平野佳寿

掲載日時 2017年10月25日 15時00分 [スポーツ] / 掲載号 2017年11月2日号

 アメリカ・セントルイスの最有力紙『ポスト・ディスパッチ』は10月4日付の電子版で、カージナルスがオリックスのクローザー平野佳寿の獲得を検討していると報じた。そのほかレッドソックス、カブスなども獲得を検討しており、今オフは獲得合戦が繰り広げられることになりそうだ。
 平野本人も行く気満々で、球団に海外FA権を行使する意向を伝えている。メジャー挑戦の障害になるものは何もない。

 メジャーリーグの各球団が平野に魅力を感じる理由は、次の点にある。

(1)成功確率が高い「速球+スプリッター」タイプ
 メジャーリーグに挑戦した日本人投手の中で、これまで最も大きな成功を収めてきたのは、速球とフォークボール(米国ではスプリッターと呼ばれる)を主体に投げる投手だ。
 メジャーリーグでは、フォークボールを投げると肘を痛めるリスクが高くなるため、投げる投手が激減している。そのためフォークを打つことに習熟した打者が減り、ワンバウンドするフォークボールで面白いように三振が取れる。
 野茂英雄、佐々木主浩、上原浩治に代表される「速球+フォークボール」タイプの投手は、メジャーに行ってから奪三振マシンになったのはそのためだ。
 平野も典型的な「速球+フォークボール」タイプの投手なので、メジャーで成功する可能性が高い。

(2)期待できる高い「奪三振率」
 平野は、よく落ちるフォークと威力満点のハイ・ファストボール(高めの速球)を組み合わせて、ハイペースで三振を奪うことができる投手だ。メジャーの打者は日本の打者より積極的に振って来るため、さらに高い奪三振率が期待できる。

(3)「酷使」に耐え壊れにくい
 メジャーでは、日本人投手は壊れやすいと思われている。しかし、平野は故障リスクが低いだけでなく、連投やイニングまたぎのリリーフも苦にしないタフガイだ。

 その一方で、メジャーリーグで投げた場合、弱点になりそうな点もある。

(1)「一発」を食うリスクが高くなる
 フォークボール投手の宿命で、平野は見せ球に高目の速球を多投せざるを得ない。素直な軌道の速球なので、キレの悪い日は一発を食うケースがありそうだ。

(2)右打者を封じる強力な「武器」がない
 平野のフォークボールは左打者には効果的だが、右打者には軌道が読みやすいようで、よく打たれる。そのため今季は、左打者に対する被打率が2割1分6厘だったのに対し、右打者に対する被打率は3割2分3厘と高かった。メジャーでは何か武器となる球種を持てないと、右打者との対戦が多いイニングでは使ってもらえなくなる恐れがある。

 今のところ平野獲得に積極的なのはカージナルス、レッドソックス、カブスの3球団である。この3球団の中でクローザーで使われる可能性があるのは、カージナルスだ。
 カ軍は昨年6月末から元阪神の呉昇桓(オ・スンファン)がクローザーを務めていたが、今季は序盤から乱調でセーブ失敗が続いた。そのため7月中旬にクローザーを外され、速球派のローゼンソールがその座に返り咲いた。ところが、8月中旬に肘を痛めてトミージョン手術を受ける事態となったため、その後はクローザーを固定できない状態がシーズン終了まで続いた。
 こうした事情があるため、カ軍はクローザーの補強が最優先課題になっている。

 ただ、モゼリアックGMはFA市場で名のあるクローザーを獲得する気はないようだ。値段の吊り上げ合戦になり、非常識な金額に跳ね上がるからだ。
 同GMは、オフに低コストで獲得できるベテラン・中堅を2、3人獲得し、キャンプでチーム内のクローザー候補と競わせて守護神を決める腹積もりのようだ。オープン戦で平野がハイペースで三振を奪って見せれば、クローザーの座が転がり込んでくる可能性は大いにある。

 その点、レッドソックスにはキンブレルという絶対的な守護神がいる。平野がクローザーになれる可能性はゼロだ。
 また、カブスに行ってもクローザーになれる可能性はほとんどない。カブスでは今季終了後、守護神ウェイド・デイビスがFAになってチームを去る可能性が高く、クローザーの座が空席になる。しかし、金満チームなのでFA市場に出た大物を資金力にものを言わせて獲得するのは確実だ。

 平野の契約規模は、呉昇桓とあまり違わないレベルになるだろう。呉は「2年500万ドル+出来高」だったので、2年400〜600万ドルの範囲ではないだろうか。獲得合戦がヒートアップすれば、2年800万ドルくらいまで上がることも考えられる。

スポーツジャーナリスト・友成那智(ともなり・なち)
今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2017」(廣済堂出版)が発売中。

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