葉加瀬マイ 2018年11月29日号

高度・高額治療の現場 1本6万円から200万円「高額抗がん剤」の延命効果(1)

掲載日時 2010年10月30日 11時00分 [健康] / 掲載号 2010年11月4日号

 より命が延びるなら、お金の額など問題ではない…余命を告知されたがん患者たちのこれが偽らざる心境だろう。実際、途方もなく高価ながん治療法や抗がん剤もあり、わらをも掴む気持ちでその高額治療法に頼る患者もいる。だが、果たしてその治療法は本当に延命効果があるのだろうか?

 静岡県内の総合病院の院長がかつて記者にこんな話をしてくれた。
 東京から妻に連れられて70代のがん患者が、
 「先生、私のがんを治してください。治してくれたら、全財産を差し上げます」
 と言って、1通の預金通帳と印鑑を差し出した。
 院長は冗談かと思いながら開かれた預金通帳を見ると、そこには何十億円という巨額の数字が刻まれていたという。

 実際、がんを告知された患者の中には、助かりたい一心ですべての財産を投げ打つ例も少なくない。もう一例を紹介しよう。
 東京・東村山市に住むNさん(56)は「肝臓がん」を告知され、東京・築地の「国立がんセンター」に入院した。だが、ほぼ1カ月の入院治療&検査で退院。もはや治療の手立てもない末期がんで、
 「余命は1年ぐらい」
 と医師から家族に告げられ自宅に帰されたのである。
 家族はがん治療に関するあらゆる情報を集め、韓国から1個100万円というキノコ「サルノコシカケ」を購入した。
 毎日、煎じて飲み続けたが、病状の改善は少しも見られない。次いで、知人の紹介で、関東圏内にあるB病院を紹介された。この病院は末期がん患者の入院施設として知られていたが、治療法のほとんどはキノコ類のサプリメント。健康保険は適応されない自由診療である。
 入院1カ月。請求された金額は特別なお風呂に入れる金額25万円など総額にして約300万円であった。
 延命効果がどれほどあったかは分からないが、Nさんは1年後に死亡している。

 通常、一般の大学病院等で、切除などがん患者に対する1カ月の入院費用は約150万〜200万円(国民健康保険の場合は、そのうちの3割負担)が平均相場である。
 しかし、がん治療には健康保険が適応されない聞いて驚くような高額な治療法や抗がん剤があるのだ。

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