林ゆめ 2018年12月6日号

速さとパワー復活! ホンダがF1世界王者を狙える3つの理由(1)

掲載日時 2017年03月28日 15時00分 [スポーツ] / 掲載号 2017年4月6日号

 3月24日の開幕戦「オーストラリアGP」が近づき(※執筆時点)、中高年のF1ファンには久方ぶりに胸をときめかせている人も多い。今季からホンダに有利な新レギュレーション(F1規則)に変わったことで、「マクラーレン・ホンダ」復活が期待されているのだ。

 ホンダF1総責任者の長谷川祐介氏は2月24日、イギリスで開かれた2017年の新型マシン「MCL32」の発表会で、「復帰3年目でホンダのパワー・ユニットは進化を遂げ、先頭集団に追い付くことができると確信している。開幕戦から表彰台を目指す」とその手応えを口にした。
 しかし、2月末からスペイン・バルセロナ郊外にあるカタルーニャ・サーキットで行われた公式プレシーズンテストでは、散々な結果だった。直線スピードのトップはメルセデスの時速338㎞。続いてレッドブル・ルノーの331㎞。3位はフェラーリで327㎞。マクラーレン・ホンダはメルセデスより26㎞も遅い312㎞。ステアリングを握った元世界王者のフェルナンド・アロンソも「問題は1つだけ、ホンダ製のパワー・ユニットだ。信頼性に足を引っ張られ、プログラムを消化できなかった」と公然と批判。これでマクラーレン・ホンダの評判はガタ落ちした。

 セナ・プロスト全盛の1980年代後半から90年代前半のF1は、車体(シャシー)とエンジンの勝負だった。しかし、現在はエンジンが「パワー・ユニット」という新方式に変わり、マシン作りを煩雑にしている。
 「ホンダが復帰する1年前の'15年に大幅なレギュレーション変更があり、従来の自然吸気の排気量2.4リットルからハイブリッドターボの1.6リットルエンジンにスイッチしました。小型車並みのエンジン変更に伴い、ブレーキの摩擦熱や排気熱をエネルギー転換させて電気でモーターを回す方式に変わり、もはやエンジンとは呼び難い高度な動力装置となりました。これが現在のパワー・ユニットです。ホンダはこの新システムに1年遅れて参戦したため、常に後手後手を踏んでいる状態でした。それが、今季から新レギュレーションに変わることで、ようやく横一線のスタートが切れるのです」(スポーツ紙デスク)

 今季のホンダに、期待できる裏付けは3つある。
 まずはニューマシンだ。マクラーレンは伝統的な名称“MP4”を廃止し(昨年はMP4-31)、今季から“MCL”冠の「MCL32」にチェンジした。これは、かつての総帥ロン・デニス氏(70)との決別を意味している。
 かつてセナ・プロストを擁し、マールボロで知られるフィリップ・モリス社とのコンビで黄金時代を築いたマクラーレン・ホンダの総監督を務めたのがデニス氏だ。その栄光の象徴こそが“MP4”シリーズのシャシーだった。

 そのデニス氏はホンダのF1撤退もあり、'09年にF1部門を離れ、市販車スーパーカー・マクラーレンの経営に専念していた。それが'15年のホンダF1復帰とともに総帥に返り咲いていた。それにより何かとチーム運営に口を挟むようになり、エンジンのスタイルが様変わりする中、従来のシャシー優先主義を貫き、チームを大混乱させた。
 「これではホンダが真価を発揮できないと判断したTAGグループ(マクラーレン社株式の25%保有)の総帥マンスール・オジェ氏と、バーレーン政府投資ファンド『マムタラカト』は、昨年11月にデニス氏を解任。“老害”を取り除いたことで、シャシーに合わせたエンジン作りから、エンジンに合わせたシャシー開発へ、チーム方針を大転換したのです。ホンダにとってこの差は大きい」(F1ライター)

関連タグ:本田技研工業


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