中島史恵 2019年6月6日号

「米ビッグ3」より「世界3位」の勲章 ロシアのボロ会社買収で馬脚 日産ゴーン社長の呆れた野望(2)

掲載日時 2011年07月10日 11時00分 [社会] / 掲載号 2011年7月14日号

 ではゴーン社長の“魂胆”とは何か。日産ウオッチャーは苦笑する。
 「販売台数で世界3位の勲章でしょう。一時はGMなど米ビッグ3のCEO就任に野心を燃やしたゴーン社長のこと、フォードやクライスラーがとうに昔の輝きを失ったいま、彼は業界の大物経営者としての存在感をアピールしたいと本気で思っているのです。そこへプーチン首相から『3位となればロシアやブラジルなどの新興国市場では大変な武器ですよ』と入れ知恵されればたちまちグラッと来る。ゴーン社長とは、そういう男ですよ」

 確かに昨年(暦年)の世界新車販売実績で日産・ルノー連合は671万台の4位だった。これにアフトワズの52万台を加えれば単純計算で723万台となり、3位だったドイツのフォルクスワーゲン(714万台)を僅差で抜いて3位に浮上する。それでなくてもゴーン社長は「若い頃、GMの入社試験に落ちて以来、ビッグ3コンプレックスを引きずってきた」(関係者)と陰口されている。それが米ビッグ3どころか、世界3位の勲章が目の前にちらついたのだ。米国の老獪な投資家の口車に乗ってGMの買収に名乗り出たものの、途中でハシゴを外されて天下に醜態を晒した過去を持つゴーン社長の目に、汚名返上のラストチャンスと映ったとしても無理はない。
 「ロシアにとってフランス人のゴーン社長は与し易い相手だったということ。メドベージェフ大統領の北方領土訪問を機に日露関係がギクシャクしているため、もし日本人トップだったらトヨタ、ホンダを含めこうは行きません。ロシア側もそれを知っているからルノーを足がかりに日産を抱き込んだ。そのあたりの寝技は、さすが柔道で鍛えたプーチン首相らしいシタタカさです」(業界関係者)

 アフトワズが3年前にルノーからの出資を仰いだこと自体、後の日産出資=日産・ルノー連合への売却シフトだったという穿った見方がある。ルノーは日産の親会社とはいえ、業績や技術力などでは日産に大部分を依存している。そこでルノーを取り込みさえすれば、日産が後からついてくるとの見立てである。
 実際、ことはその通りに推移している。
 「ゴーン社長は、ルノーが足がかりを築いたから日産がロシア市場に打って出られるとアピールしたいのでしょうが、現在のルノーは日産にオンブにダッコというか、寄生虫のような存在になり下がっている。その向こう見ずなロシア投資の尻拭いを押し付けられたら日産の株主はたまったものじゃない。まして魂胆が見え透いているため、大半の社員は喉まで出かかった『殿、ご乱心』の言葉を呑み込むのに必死な筈です」(前出・ウオッチャー)

 ルノーは自作自演だった産業スパイ事件を見抜けず世界に大恥を晒し、今度は日産を巻き込んでロシアに活路を求めた。どこに落とし穴が潜むか、ゴーン社長の肝試しが続く。

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