菜乃花 2018年10月04日号

LiLICoオススメ「肉食シネマ」 私の人生、まだまだ捨てたもんじゃない! 『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』

掲載日時 2016年05月27日 18時00分 [エンタメ] / 掲載号 2016年6月2日号

LiLICoオススメ「肉食シネマ」 私の人生、まだまだ捨てたもんじゃない! 『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』

 お仕事お疲れ様です!
 最近、やっと取り上げられるようになった“スラッシャー”。これは複数の肩書きを持つ人のこと。よく「/」を肩書きの間に入れる方がいますよね? これがスラッシャーです。
 日々、充実している私としては、この表現のおかげで自己紹介が楽になったんです! ざっと挙げると、映画コメンテーター/歌手/ボディービルダー/プロレスラー/ナレーター/ライター/翻訳家/ジュエリーデザイナー/バッグデザイナー/ウェブショップ買い付け。あとはスタイリングやメイクアップアーティストとしても仕事をすることがあります。
 努力することは楽しい! 長生きしたい! 時間が足りない! みんなも時間を作って、たくさんやりたいことに挑戦してくださいね。

 今回の作品の主人公は、私とはちょっと考え方が違います。何不自由ない生活。いや、どちらかといえば、とても恵まれた立場。大富豪の1人息子でアストンマーチンを乗り回しているが、なぜか…感情がない。そんな生活に嫌気が差し、自殺しようとする彼、ヤーコブ。ただ、様々な方法で命を捨てようと思った瞬間にタイミング悪く邪魔が入る。これがけっこうお茶目で笑える。死がテーマに見えるけれど、実はブラックコメディーです。
 なかなか死ねないヤーコブは、偶然拾ったマッチ箱に書いてあったベルギーにある謎の代理店に“死の手伝い”を頼みます。棺桶も選び、あとは死を待つのみ。ただ、いつその瞬間がくるのかは依頼人には分からない。ある意味、ワクワクしながら待つヤーコブ。しかし、死ぬ覚悟が完全にできているのに、そこに女性との素敵な出会いが!
 まあ、うまくいかないですよね。“死”をキャンセルもできず、とんでもない展開が待っています。そして、笑って過ごせた時間だったのに、最後の数分は涙が止まりませんでした。

 本国オランダで大ヒットした1本。自殺なんて考えてはいけないんですよ。一見“死”がテーマに見えるけど、そうではなく“生きる喜び”がテーマなのです。幸せレベルをちょっと下げて冷静に見てみたら、自分の人生って意外といいもんですよ。
 こうしたミニシアター作品は本当に充実していて、知っていると、ちょっと得した気分になります。
 というわけで、スラッシャーの私は、やりたい事がいっぱいなので、この謎の代理店には依頼しません!

画像提供元:(C)2015 SURPRISE FILMPRODUCTIE VOF / VARA / PRIME TIME/ RIVA FILM / FASTNET FILMS

■『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』
監督/マイク・ファン・ディム 出演/イェルン・ファン・コーニンスブルッヘ、ジョルジナ・フェルバーン、ヤン・デクレール、ヘンリー・グッドマン 配給/松竹 5月28日(土)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開。
 ヤーコブは、オランダの貴族で大富豪の1人息子。広大な敷地にあるお城に住み高級車を何台も所有しているが、楽しみを感じない人生に嫌気が差している。母親の葬式を済ませた後に自殺を試みるも邪魔が入り成功できない。そんな時、たまたま拾ったマッチ箱に記された謎の『代理店』を訪ねてみると、そこは“最終目的地への特別な旅”のプランを提案するという、自殺ほう助を行う奇妙な旅行代理店だった。ヤーコブは喜んでそのサービスを依頼。すっきりした気持ちで棺桶を物色中、同じコースを申し込んだというアンネと出会い、気持ちに変化が現れるが…。

■LiLiCo:映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS「大様のブランチ」「水曜プレミア」、CX「ノンストップ」などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。

関連タグ:LiLICoオススメ「肉食シネマ」

エンタメ新着記事

» もっと見る

LiLICoオススメ「肉食シネマ」 私の人生、まだまだ捨てたもんじゃない! 『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』

Close

マダムとおしゃべり館

▲ PAGE TOP