岸明日香 2018年12月20日号

海洋汚染の救世主となるか! プラスチックを“食べる”分解酵素を発見

掲載日時 2018年05月17日 15時00分 [社会] / 掲載号 2018年5月24日号

 ポイ捨てペットボトルなど深刻なゴミ問題がつきまとうプラスチック。これらを“食べる”魔法の酵素を英ポーツマス大学と米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)の共同チームが偶然発見した。
 「もともとは、数年前に大阪府堺市にあるリサイクル工場で採取されたプラスチック分解菌の研究に取り組んでいる過程で発見されました。この分解菌は、ペットボトルなどに使われるポリエチレンテレフタレート(PET)を分解して栄養源としていることが判明しており、『イデオネラ・サカイエンシス201-F6株』と名付けられていました」(サイエンスライター)

 NRELのグループを率いるグレッグ・ベッカム博士によると、この「F6株」が持つ酵素の構造を研究する過程で、偶然、PETをより強力に分解する新種の酵素が検出されたという。
 「この経緯は、4月17日付の学術誌『米国科学アカデミー紀要』に詳しく掲載されています。今回の発見で、地球環境内に数百年間残留する何百万トンものプラスチックをリサイクルできるようになるかもしれません。新たな酵素にはPETだけでなく、PETに代わるバイオ由来の新素材、ポリエチレンフランジカルボキシレート(PEF)を分解する能力があることも分かっています」(同)

 NRELによれば、世界の海にはプラスチックゴミが毎年800万トンも廃棄されているという。
 「2050年までには、海に生息する魚とプラスチックゴミの体積が同じになる見通しで、ポリ袋をクラゲと間違えて食べ、死んでしまうウミガメの問題どころの騒ぎではなくなります。特に海洋ゴミが押し寄せる“太平洋ゴミベルト”は予想以上の速さで拡大しており、すでにフランス国土の3倍の面積に達しているほどです」(同)

 あわよくば、原発の稼働で増え続ける核廃棄物を分解してくれる酵素も発見されてほしいものだ。


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