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石原慎太郎「公開処刑」で豊洲新市場売却か 浮上したヤクルト、FC東京の新球場計画

掲載日時 2016年10月26日 10時00分 [政治] / 掲載号 2016年11月3日号

石原慎太郎「公開処刑」で豊洲新市場売却か 浮上したヤクルト、FC東京の新球場計画

 豊洲新市場の「盛り土」問題で、小池百合子都知事は中央卸売市場長を事実上更迭する“粛清人事”を敢行した。しかし、東京五輪前でのこれ以上の犯人探しは都政に混乱を招くと判断。石原慎太郎元都知事を「生け贄」に幕引きを図るが、その跡地を舞台にある計画が持ち上がっている。

 5900億円もの税金を費やしながら、「地下空間」に溜まった地下水から基準値を超える有害物質のヒ素、ベンゼン、水銀が検出され、移転どころか、白紙撤回すら囁かれだした豊洲新市場。小池都知事は「退職者も含めて懲戒処分などしかるべき対応を取っていく」と拳を振り上げ「公開通報制度」(内部告発制度)の新設も打ち出した。

 小池都知事は14日の定例記者会見で、担当部局の岸本良一・中央卸売市場長を退任させる人事を発表。岸本氏は総務局理事に降格となり、計46人の粛清人事となった。しかし、豊洲新市場の建物を設計する業者選定に関わった塩見清仁オリンピック準備局長、2011年から'12年に市場長に就き、今年6月に副知事になった中西充氏は“盛り土疑惑”のキーマンであるにもかかわらずセーフ。この差配に小池都知事一流のしたたかな計算と今後の戦略が透けて見える。
 「現在、五輪経費の見直しを手掛けている塩見氏を更迭したら、森喜朗五輪組織委員長の思うつぼ。逆に内部崩壊しかねません。中西副知事は温厚な性格で知られ、職員の信頼が厚い。更迭したら約17万人の職員を敵に回すことになり、重要な情報も知事に上がってこなくなります。そこで彼らを残し、石原元都知事が聴取を拒否した場合、参考人招致や百条委員会に呼び、公開処刑することで幕引きを図る考えなのです。都議会自民党も官製談合に発展し、逮捕者が出たら空中分解しかねない。次の都議選で内田茂幹事長は出馬せず勇退。これが落とし所」(都庁担当記者)

 東京10区の衆院補選で、先の都知事選では国会議員で唯一応援してくれた若狭勝氏の当選が確実になったことで、小池都知事の関心は豊洲新市場の今後の利用法に移ったということか。

 そこで急浮上してきたのが、築地市場を存続させ、豊洲を売却する計画だ。この土地の所有者はもともと東京ガス。土壌汚染が原因で東京都が豊洲から撤退するのだから、同社へ買い戻してもらうのが流れとしてスムーズという論法だ。
 「東京ガスにしても、当初から跡地にホテル建設を計画していたのです。都への売却で回り道をしたが、元の軌道に戻ったと。そこで出てくるのがJリーグのFC東京で、同チームの前身は『東京ガスフットボールクラブ』です。豊洲に自前のスタジアムを建設し、FC東京が豊洲へ本拠地を移転。それに合わせてカジノや大型商業施設を作り、統合型リゾート(IR)に転用するという計画です。大手ネット物流A社が豊洲跡地買収に手を挙げていますが、そこは伏魔殿の東京都。小池都知事にしても5900億円もの事業費を犠牲にするわけですから、カジノ利権をスルーするとは思えない」(経済誌デスク)

 「カジノ法案」こと「統合型リゾート推進法案」は'14年の国会で廃案になったが、今国会で再び審議入りし、成立する可能性は高い。東京都は五輪後の景気浮揚にカジノ誘致は不可欠とみており、それは自民党も同じ。安倍晋三首相の任期は東京五輪まで延長するとして、ポスト安倍を目指す石破茂元幹事長、小池氏に“カジノ”は絶対必要条件ともいえる。
 「当確と思われたお台場は、カジノに消極的な舛添要一前知事が都用地を外資系企業に貸与してしまい、実現が困難になった。そこに降って沸いたのが、豊洲跡地です。カジノ議連に所属する小池都知事は、推進派の二階俊博幹事長とも良好な関係にある。有力候補だった大阪は'25年大阪万博に方向転換するようです」(都庁幹部職員)

 もっとも“豊洲カジノ”には、お台場カジノ計画が頓挫したフジテレビも虎視眈々だ。ヤクルトスワローズの本拠地、神宮球場は東京五輪後、隣接する秩父宮ラグビー場と場所を交換する形での建て替えが決まっている。その間、地方移転が避けられないだけに、豊洲跡地は渡りに船。視聴率の低迷で屋台骨が揺れるフジテレビだけに「豊洲売却情報」に期待感が高まっているという。
 「台場エリアにカジノを含む統合型リゾートを作る提案をしたのは、フジテレビ、三井不動産、鹿島などのグループとセガサミーホールディングスのグループが中心でした。フジの日枝久会長と太いパイプがある安倍首相は、セガサミーの里見治会長兼社長の次女と経済産業省キャリアの結婚披露宴に主賓として招かれた仲。双方共同でIRに取り組めば、選定は決まったようなもの。ヤクルトの新球場はその目玉になる。首相は自他とも認めるヤクルトファン。地方移転はない」(同)

 小池都知事は東京ガスへ売却しての“FC東京・カジノ”。一方、安倍首相は“ヤクルト・カジノ”。これだけカジノ化計画が独り歩きし始めたことをみても、豊洲新市場への移転中止は決まったも同然だ。

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