アウトローを立ち直らせようとして… 踏みにじられた“天使の最期”(1)

官能・2015/07/04 23:00 / 掲載号 2015年7月16日号

 牧瀬真一(33)は小学校までは親の求める理想の子供像を維持していたが、中学に入ると成績が思ったより伸びず、教師と対立したことから中2でグレ始め、高校受験で失敗すると本格的にアウトローへの道を突き進み始めていた。
 17歳の時、タクシー強盗をやって捕まり、少年院に送られた。戻ってきてからは大人しくなったと思いきや、いつの間にか覚醒剤にハマり、「オレはヤクザに追われている」「家の周りは全部ヤクザや」などと言って家庭内暴力を振るうようになったため、精神病院に入院させられた。
 その後も家庭内暴力は収まらず、ついに母親が警察を呼んだため、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕。執行猶予付きの有罪判決を言い渡されたものの、その後も薬物乱用を繰り返した。

 25歳の時、牧瀬は幼馴染みの友人に誘われて渡世の道に入った。主に組事務所の電話番をしていたが、揉めごとがあるとすっ飛んで行き、暴行や傷害などで何度も逮捕されることになった。身体を張った激務に加え、覚醒剤使用による後遺症から体調を崩し、30歳でヤクザもお払い箱になり、労働者街に移って生活保護を受ける身になった。まさに人生のどん底。そんな時に出会ったのが河野由佳さん(34)だった。
 由佳さんはバツイチだったが、ピアノや書道をたしなむお嬢様だった。牧瀬との間にたまたま共通の知人がいたことから、事件の半年前に知り合った。

 由佳さんは牧瀬のすさんだ生活を聞いて、呆れるどころか、「私とほとんど変わらない年齢なのにいじけてちゃダメ。まだまだ人生やり直せる」と励まし、交際に発展。その後、牧瀬が急性膵炎で入院することになると、毎日看病に訪れ、献身的に尽くした。
 「オレみたいなもんのために…。本当にありがとう。オレ、立ち直るから。退院したら一緒に住もう」
 「一緒に住むのなら、きちんと仕事もしないといけないわ。私と約束できる?」
 「するとも。必ず仕事も見つけるから」

 牧瀬は退院すると、すぐに解体業の仕事を見つけてきて、真面目に働くようになった。それを見て、誰よりも驚いたのが牧瀬の母親だった。
 「あれだけ何を言ってもダメだった真一が…。由佳さんは凄い。あなたは本当に天使かもしれない。これからも真一のことをよろしくお願いします」
 牧瀬の母親は由佳さんに頭を下げて頼んだほどだった。由佳さんも母親に牧瀬の好物などを聞いた。

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