葉加瀬マイ 2018年11月29日号

不動産屋は見た! 本当にあった事故物件レポート(2)

掲載日時 2016年10月31日 18時00分 [社会] / 掲載号 2016年11月3日号

 通常、事故物件は不動産広告に「心理的瑕疵物件」と記載され、過去に自殺・殺人・火災などがあった事故物件という意味で表記されている。中には「告知事項あり」「重要告知事項あり」と明記され、契約前の「重要事項説明書」で詳細が知らされることも。
 「部屋の中だけでなく、建物の施設部分や共用部分での自殺や事件、または近隣に宗教施設がある、すぐそばに日常的に騒音を出す工場があるなどの精神的瑕疵が含まれることもあります」(同)

 賃貸の場合、例えば事故があった物件の“直後”に入居する人への説明義務はあるが、以降に入居する人へは「不要」としている場合が多い。そのため悪質な業者は、あたかも複数の入居歴があったかのような名義貸しを行う“洗い屋”と呼ばれる人たちを利用するそうだ。
 また、賃貸と売買では告知事項の目安が異なっており、不動産売買に詳しい弁護士は「売買の場合は事故から最低10年は告知事項を行う必要がある。過去の裁判事例では50年経っても契約解除された例もある」と指摘する。実際の事故物件の告知事項の期限が明確に定められておらず、さまざまな問題に発展しやすいという。
 「事故物件は、物件次第ですが相場の6割〜7割程度の買い取りが一般的で、状況が悪いものだと半額以下になることもあります。きれいな状態であっても、ほぼ業者側の言い値で買い取り価格が決まるのです。ただ価格の安さから事故物件を気にしない人もいて、需要が少ないわけではありません」(都内の不動産業者)

 ある会社員男性の話。別居していた父親がマンションで孤独死の状態で亡くなり、不動産の売却手続きを行った。その際に不動産業者から「事故物件になると言われ相場の半値で買い取りを提示されびっくりした。自殺したわけじゃないのに悔しかった」と語る。
 一方、知らされていなかった入居者が近隣住民から部屋で何かがあったことを聞き、不動産会社やオーナーとトラブルになることもある。複数の不動産オーナーから「正直、高齢の方には貸したくないのが本音」との辛辣な意見や「もしも認知症を患われたら火事や水漏れのリスクが怖い」などと懸念する声も聞かれ、単身や身寄りがない高齢者は家を借りるのが厳しくなってきているのが実情だ。

 ことほど左様に身近にある事故物件。先の都内不動産業者を通じて聞くことのできた“怖〜い実話”を二つ紹介しよう。
 《これまでで印象に残っているのは、あるマンションの話です。私は幽霊の存在は全く信じていないのですが、駅近・築浅が売りだったマンションの一室で中年男性による首吊り自殺がありました。遺族の方がこの部屋を売りたいということでご相談を受けていたとき、下の階に住む住人の女性が増床を目的に購入したいと申し出てきました。その後手続きがスムーズに進行し、購入者の女性がリノベーションを行い、自殺があった階と自室の間に階段を取り付けてメゾネット住宅に改築し暮らし始めました。ところが、そのわずか1カ月後に女性が転居したのです。お金をかけて増床したばかりの部屋に「幽霊が出る」と大騒ぎして…。実は前の住人が首を吊っていた場所に階段を設置したのですが、そのあたりに出るというのです。話を聞いたときは体中から冷や汗が滴り落ちました。現在、この住宅は賃貸として貸し出されているのですが、やはり夜中に男性の声が聞こえるといった話や、深夜に誰もいないはずの風呂場でシャワーを浴びる音がするなど、さまざまな怪奇現象が出ているようです》
 《あるマンションで50代男性の首吊り自殺がありました。その男性は離婚されて身寄りがなかったので、元妻がマンションを売却したいと私が経営する不動産会社を訪れました。そのマンションには団体生命保険が掛けられており、自殺ではありましたが保険による支払いでローンの残債がなくなりました。その後、当該マンションはご子息に相続されました。元夫といえどもご家族だった方が亡くなられたので、さぞかし落ち込んでいるのかと思いきや「元夫と縁を切りたかったのでこれで完全に縁が切れた!」「ローンの返済もなく、不動産を売ったお金を家族で分配したい」とご家族みんなが手を取り合って大喜びされていて、その姿にびっくりしました。不動産を通じて、いろいろな方の人生を垣間見ることが多いですね》

 近年はインターネット上で事故物件情報の投稿サイトが広がりを見せており、これらを簡単に検索できる時代になった。そのため不動産オーナーによっては、マンション名や外壁の色を変えてリニューアルするケースもあるという。
 「事故物件でも安いから」と気にしないならともかく、物件選びはやはり十分かつ慎重にすべきだろう。

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