菜乃花 2018年10月04日号

話題の1冊 著者インタビュー 黒沢哲哉 『全国版 あの日のエロ本 自販機探訪記』 双葉社 2,200円(本体価格)

掲載日時 2017年09月17日 18時00分 [エンタメ] / 掲載号 2017年9月21日号

 ――エロ本自販機巡りを始めたきっかけは何だったのですか?

 黒沢 エロ本自販機は1970年代後半から80年代前半にかけて全国の街角にあふれていました。しかし、行政の規制強化によって都会からドンドン姿を消していき、僕もそのままとっくに絶滅したものと思っていました。ところが、それがインターネット全盛の現代においても、地方の田舎道沿いで、いまだしぶとく生き残っていたんですね。最初は単なる懐かしさから巡り始め、日帰り圏内の関東近県に絞って巡っていたのですが、やがて50カ所、100カ所と巡っていくうちに、自販機それぞれの佇まいの味わい深さに魅了されました。
 しかし、そんな間にも日々、急速に数を減らし続けていることを知って“今記録しておかなければ後悔する”という使命感のようなものが生まれ、日本全国を巡る決意をしました。

 ――全国津々浦々、消え行く自販機をどのように探していったのですか?

 黒沢 主にインターネットの検索機能をフル活用しています。主な情報発信源は、旅人のブログ(旅行中に偶然見かけたエロ本自販機について言及したりしている)、地域情報掲示板(地域の雑談の中にエロ自販機の話題が出てくることがある)、心霊掲示板(自販機のある場所は心霊スポットとウワサされていることも多い)、女装・露出掲示板(女装マニアや野外露出マニアが同好の士との出会いの場としてエロ本自販機を活用している場合がある)などです。
 また経験を積んでくると、エロ自販機がありそうな場所や地域が分かってくるんです(笑)。そうした場所にあたりをつけて、グーグルマップのストリートビュー機能を利用したり、現地を車で走って探索したりしてますね。

 ――時代とともにエロ本の規制が高まっています。どのように感じますか?

 黒沢 コンビニの雑誌スタンドなどからエロ本が消えていくのは時代の流れでやむを得ないことだと思っています。しかし、車もめったに通らない山奥の、看板も付いていない小さな小屋の中で、ひっそりと営業しているエロ本自販機を規制したとして、それで一体、誰が得をするんだ、というむなしさは感じますね。
 そもそもエロというのは、後ろめたくて、秘密めいていて、人目をはばかるものなので、僕は声高に「規制反対!」と叫ぶことはいたしません。でも、山奥でひっそりと販売しているエロ自販機くらいは「見て見ぬ振りをしてくれてもいいんじゃないの?」といつも思っています。
(聞き手/程原ケン)

黒沢哲哉(くろさわ・てつや)
1957年東京葛飾柴又生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。主に昭和のサブカルチャーやマンガ研究、マンガ原作の分野で活動。主な著書に『ぼくらの60〜70年代宝箱』。

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