美音咲月 2019年7月25日号

広島 緒方監督vs佐々岡投手コーチ「丁々発止」ベンチ裏攻防戦

掲載日時 2019年07月08日 12時00分 [スポーツ] / 掲載号 2019年7月11日号

 「もっといいデビューをさせてやりたかった」

 ルーキー小園海斗内野手(19)を見たカープファンは、そう嘆いていたのではないか。15年目を迎えたセ・パ交流戦で、最下位に沈んだチームは、一度もペナントレースでは優勝していない。広島のセ・リーグ4連覇に赤信号が灯っている。

 交流戦の敗因に、投手陣の調整ミス、継投ミスを挙げる関係者は多い。
「カープは3連覇を果たしながら、一度も日本一になっていません。その原因を探っていったら、投手継投策の失敗に辿り着くんですよ。そのことで、緒方孝市監督(50)にアドバイスできる人材をそばに置くべきとなって…」(球界関係者)

 投手陣の調整ミス、継投ミスを挙げたが、交流戦最下位の敗因は、それだけではない。好機で「あと1本」が出ない打線、そして、クローザー・中﨑翔太(26)の不振、過去3年、登板過多となっていた救援陣の調整の失敗などがそうだが、未然に防げたものもある。前述の中﨑を始めとする救援陣の不振がそうだ。

 「投手陣の調整を一任されていたのは、佐々岡真司コーチ(51)でした」(スポーツ紙記者)

 佐々岡コーチは今季から一軍担当となった。「投手継投の助言役」として、それなりの発言力を与えられての昇格だったという。

 「2018、2019年オフ、広島は’10年のドラフト1位投手、福井優也を放出し、楽天から菊池保則を獲得しました。登板過多の現有中継ぎ陣だけではコマ不足と判断したからでしょう」(同)

 中継ぎ陣の強化と再編。佐々岡コーチはその重要任務を託されたのだが、キャンプで全投手陣にこんな指示を出していた。

 「中﨑、一岡(竜司)以外は全員、先発のつもりで調整せよ」

 競争意識を高め、ニュートラルな目線でもう一度、投手陣全体を振り分けするつもりでいたようだが、成果は伴っていない。先発陣では大瀬良大地、床田寛樹以外の勝ち星が伸びず、中﨑に至っては、ついに二軍落ちしてしまった。

 「一昨年の薮田和樹、昨年のフランスアが好調だったのは佐々岡コーチのおかげと言われています。その実績を買われた部分もあったんですが、投手陣全体を管理するのは初めて。どのチームもそうですが、指揮官と投手コーチは意見が衝突するもの。緒方監督は佐々岡コーチに一任したとはいえ、気が気ではないでしょう」(前出・関係者)

 しかも、佐々岡コーチは現実的に「ポスト緒方」の一番手と目されていた。メディア的には昨季で引退した新井貴浩氏だが、緒方監督は二軍コーチから指導者人生をスタートさせ、一軍コーチ、参謀役という過程を踏んできた。佐々岡コーチが同じ道程を歩んできたのだから、緒方監督からすれば気になる部分もあったのかもしれない。

 「緒方監督のフランスアへの評価は高く、クローザーに抜擢する案を昨季から温めていました。いま中﨑の代わりを務めているのは予定通りとも言えます。でも、フランスア自身は『先発がやりたい』とこぼしています」(スポーツ紙記者)

 フランスアの望まない配置転換というが、今のところ、不満爆発とまでは至っていない。佐々岡コーチが説得したからか、それとも中﨑が一軍に再昇格してきたときフランスアとの併用が成り立つのかどうか、手腕が試される。

 こんな情報も聞かれた。
「緒方監督は開幕4カード連続で負け越した時、『優勝確率0%』のピンチに陥りました。その時、緒方監督が相談を持ちかけたのは東出輝裕、迎祐一郎の両打撃コーチでした。中﨑離脱で苦しくなった救援陣について、佐々岡コーチと話し合えるのか…」(同)

 交流戦最下位チームは優勝確率0%というジンクスをどう打ち破るのか。開幕4連敗は緒方監督が1人で悩み込まず、話し合って乗り切ったが、2度目の危機脱出については、打開策はまだ見つかっていない。

 中﨑が不振に陥った原因は、勤続疲労に尽きる。2015年から69、61、59、68試合に登板。特に、1点を争う場面で酷使されてきたのだから、数字以上の疲労感もあるはずだ。

 ほかにも昨季は、一岡が59試合、フランスアは47試合、アドゥワ誠は53試合、今村猛も43試合に登板した。「逆転勝ちの広島」と呼ばれたが、見方を変えれば、先発投手が先に失点しても、打線が爆発するまで中継ぎ陣が耐え、最後は中﨑という総力戦だったわけだ。

 緒方監督は期待の新人・小園をついにスタメンで起用した。「時期尚早」の声もあったが、冒険に出たのは停滞するチームの雰囲気を打開したかったからだ。

 その小園が冒頭のように6月22日、緊張から守備でミスを連発。自信喪失なんてことになったら、緒方監督は「交流戦最下位」以上のミスをしたことになる。カープは内部崩壊の危機を迎えている。

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