香港デモ「夜の無法痴態」1カ月以上占領が続く裏面史(3)

エンタメ・2014/11/13 17:00 / 掲載号 2014年11月20日号

 次に案内されたのは、モンコックの最深部。通りに面してなんとも妖艶なピンク色の看板だけが掲げてある店が続く通りだ。
 これらの店は完全な風俗で、なんだかんだで金がかかる夜総会と比べて、格安でヌケる。日本でいえば、ファッションヘルスだ。その店の入口に手書きの料金表があった。
 「CHINA250 HK250 MALAY200」
 金額はなんと日本円で3000〜4000円だ。大陸、香港、マレー人と値段が違っている。通訳が言う。
 「確かに夜総会に比べると安いけど、あの金額の2倍はかかるはずだよ」

 それにしても、いつもはいる客引きがいないという。何軒か回って、記者を見つけた呼び込みがカタコトの日本語で声をかけてきた。
 「コンニチハ。遊んでいきませんか?」
 記者「女子大生はいない?」
 呼び込みが一瞬ポカンとしたが、すぐに答える。
 「いるよ、ジョシダイセー、ホントホント」
 適当そうな答えだった。通訳が笑って耳打ちする。
 「香港の女子大生は、みんなお嬢様だから、こんな店にいるわけないよ」
 路上で座り込んでいる学生たちは、香港では富裕層に属する人間が多いという。そうだ。やっぱり昼間のリンが忘れられない。

 すでに夜も更けた時間。アドミラルティに戻ってきた。キャンプ用のランタンがテントの脇に灯されている。昼間、会った女子大生リンのテントを探した。
 だが、夜のアドミラルティはちょっと雰囲気が違っている。昼はフレンドリーに話しかけられることもあったが、夜は完全に別世界。カップルが多くて話しかけ辛いのだ。
 「一応、デモがこの先どうなるのか、行政府の対応とか、香港の未来について語ってるみたいだよ」
 通訳はそう言うが、テントの中はエロスの世界。添い寝状態でいつセックスをしてもおかしくない体勢だ。

 そうして、やっとリンのイラストが描かれたテントに着いた。と、よく見ると、まだ湿度が高いというのにテントは閉ざされている。中では小刻みに動いているような男女の気配が…。
 「アン、アン、アン」
 昼間聞いたリンの声だった。通訳は苦笑している。
 「実は、デモに参加するというのはデートの口実にもなっている。ここで出会ったカップルも多いらしい。若い子同士だから、当然、夜はこうなるね」
 避妊は忘れずに。

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