大阪・飛田新地“ちょんの間”がコロナ禍で悲鳴…「これからどうなるんやろね」

社会・2020/05/14 22:00 / 掲載号 2020年5月21日号

 5月4日に開かれた政府の新型コロナウイルス感染症対策本部で、全国を対象とした「緊急事態宣言」が月末の31日まで延長されることが正式決定した。

 この「緊急事態宣言」は去る4月7日、7都府県に発令されたのだが、その4日前の4月3日、大阪西成区の歓楽街「飛田新地」の飛田新地料理組合は、加盟する全料亭の一斉休業を実施した。

「このときの先手を打っての休業は、役所に向けた“忖度”ですわ。もっとも休業は全会一致というわけではなく、組合の議論は紛糾しましたよ」

 そう語るのは、飛田新地料理組合の関係者だ。飛田新地の“料亭”とは建前上で、実態は“ちょんの間”といわれる風俗店。

「そやから休業要請の対象外やと言うんで、このまま営業すべきと言うところもあったんです。それに女の子の補償をどうするかでも意見が分かれましたわ」

 それでも全料亭が休業することで話がまとまったのは、再開後のことを考えての決断だという。

「えらそうに言えた義理やないけど、性風俗かて大衆文化の1つ。ここでつぶれたら申し訳ない」(同)

 阪神大震災のときですら休まなかった飛田新地が全店休業するのは、昭和天皇崩御と昨年のG20大阪サミット以来になる。

「前はここ(飛田)辞めても行くとこがあったけど、今はお風呂(ソープ)もマッサージもみんなやってないし、それがまた延びていつまで続くか分からへん。これからどうなるんやろね」(飛田嬢)

 飛田新地に広がる不安な空気は、同じ西成区の日雇い労働者のメッカ「あいりん地区」にも漂っている。

 新型コロナの影響で日雇い仕事が激減した上に、日雇い労働者の求人場所だった『あいりん総合センター』が建て替えのため、3月31日に閉鎖。周辺には、野宿する労働者が増えていた。

 だが、大阪府はこれを「不法占拠」とみなし、土地明け渡し請求の訴えを起こす議案を議会で可決した。

「ウイルスとセンターの解体だけでもしんどいのに、府は追い打ちをかけよった」(あいりん地区住人)

 西成区の住民は悲鳴を上げている。

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