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歌謡(うた)のマドンナ 第13回 工藤あやの 東北なまりが親近感を誘う「山形のひだまり娘」 「私のこと、たくさんめんこがってけろな!」

掲載日時 2016年05月23日 12時00分 [芸能] / 掲載号 2016年5月26日号

歌謡(うた)のマドンナ 第13回 工藤あやの 東北なまりが親近感を誘う「山形のひだまり娘」 「私のこと、たくさんめんこがってけろな!」

 「皆さん、今日は天気もよくなっていがったなー?」「私の衣装もいい感じだべ? んだんだ、皆さん楽しんでってけろー!」

 −−写真からはおとなしくて控えめな印象を受ける工藤あやの。しかしステージでは、その口から元気いっぱいの山形弁が炸裂する。イメージとのギャップに、観客は笑いに包まれ、一瞬でハートをつかまれる。そんな東北なまりのトークが彼女の魅力の一つだ。
 「あえて山形弁を直さないまま今日に至っています。私、自分に特徴なんて何もないと思ってるので、皆さんに覚えてもらいやすい唯一の特徴があるとしたら山形弁かな、と(笑)」

 −−民謡歌手でもある母親の影響で、小さい頃からたくさんの歌を覚えていったという彼女。漠然と芸能界に憧れていた高校1年のある日、母親の友人が新聞の切り抜きを持ってきた。
 「東京都の北区が主催する『弦哲也 北区(きた)の演歌座2010 新人歌手発掘オーディション』の募集告知でした。審査委員長は、数々の名曲を作っていらっしゃる作曲家の弦哲也先生。実力を試してみようと、生まれて初めて応募したオーディションだったんですが、そこでまさかの大賞をいただきました」

 −−高校を卒業するまで、山形から1、2カ月に1度、東京・北区在住の弦氏の元へ通ってレッスンを受けた。それ以外はごく普通の高校生活を送っていたという。
 「高校では部活のハンドボールに明け暮れていました。髪も短くて、男の子みたいでしたね。山形はレジャースポットがあまりなくて、電車も1時間に1本くらい。だからデートするにも近くの山に登るしかなくて(笑)。山へ行くと小さな公園があって、そこで一緒にブランコに乗ったり、ジャングルジムから街の景色を眺めたり、日が落ちるまでベンチで他愛もない話をしたり…(笑)。あと、電車通学だったんですけど、私、本当に寝坊助で遅刻魔。今でこそ『しっかりしてるね』とよく周りの人に言われるんですけど、本当は全然違うんです。友達も少なかったですし(笑)」

 −−高校の卒業式を終えると、翌日には上京。居酒屋のアルバイトで生計を立てながら1人暮らしを始め、弦氏の事務所の手伝いもしながらデビューに備えたという。そして、'14年1月に弦氏プロデュースの『さくらんぼ 恋しんぼ』でデビュー。以来、弦氏が『昭和の忘れ物』と評する、純朴で郷愁を誘う歌声を武器に、どこか懐かしい歌謡曲を歌いながら、日々キャンペーン活動を続けている。しかし、その一方で、周囲の期待と自分のギャップに苦しんだことも。
 「以前は、皆さんが求めている工藤あやの像って何だろうと悩み、言葉を選んでしゃべっていた部分もありました。でも今は、私が好きなようにステージをさせていただいているので、楽しいです。わざわざ足を運んでくださるファンの方がいらっしゃる以上、このままの自分でいいんだな、と思えるようになりました」

 −−話を聞いていると、日々悩み、落ち込む、普通の22歳の女の子の素顔が浮かび上がってくる。しっかり者だと思われそうだが、実はメンタルが弱いのでは? と尋ねると、ためらいなくうなずいた。
 「すっごく弱いです! もう超弱いです(笑)。泣き虫だし。以前は1人で悩み過ぎて、泣きながらマネージャーさんに電話したこともよくありました(笑)。でも、短気で不安定だった最初の頃と比べたら、今は心穏やかに生活できていますね。歌手のお友達ができて、いろいろ話せるようになったのも大きいです。あと、ストレス発散に、バッティングセンターによく行っています。スカートだろうが、ヒールを履いていようが、思いっきり足を開いて130キロの球をガンガン打ってますよ(笑)」

 −−昨年4月からは、ラジオ大阪の生ワイド番組『ほんまもん!原田年晴です』の水曜アシスタントを務めている。メーンパーソナリティーの関西トークに、山形なまりで返す様子が楽しい。しかし、最近、困ったことが…。
 「相槌一つ打つにも、『んだんだ』『へー!』とか、いかに山形弁を織り交ぜてやろうかと苦心してます(笑)。もちろん、マジメな話題を放送している時はできる限り標準語で話しますけどね。とても人気のある番組なので、担当させていただいてからは大阪でもファンの方が増えて、本当にうれしい。毎週早朝に起きて、東京から日帰りで通って出演していますけど、いまや大阪が第2の故郷みたいな感じ。1回1回を大切に、頑張ろうと思っています。ただ最近は、関西弁と山形弁が混ざってきちゃってますね(笑)」

 −−言葉の端々から、頭の回転の早さや、常に周囲に気を配る思いやりが伝わってくる。演歌が大好きという彼女に目標を聞いてみた。
 「若い方にも聴いていただけるよう、演歌とJ-POPの間にある壁をなくすパイプ役になれたらと思っています。アイドルのイベントに交ぜてもらって出演してみたいですし、バラエティー番組にもどんどん出て、他の人がやらないような体を張った企画にチャレンジしてみたいですね。私、イモトアヤコさんが大好きなので、演歌界の珍獣ハンターを目指したいです(笑)。どうぞこれからも、工藤あやのをめんこがって(可愛がって)ください!」

くどう・あやの
1994年5月7日山形県山形市生まれ。母親の影響で幼少期より民謡を習い、数々の民謡の大会で優勝。'10年、16歳で出場した「弦哲也 北区(きた)の演歌座2010 新人歌手発掘オーディション」で大賞を受賞。'13年春、高校を卒業後上京。弦哲也氏のレッスンを経て'14年1月に「さくらんぼ 恋しんぼ」でデビュー。くどう・あやの=1994年5月7日山形県山形市生まれ。母親の影響で幼少期より民謡を習い、数々の民謡の大会で優勝。'10年、16歳で出場した「弦哲也 北区(きた)の演歌座2010 新人歌手発掘オーディション」で大賞を受賞。'13年春、高校を卒業後上京。弦哲也氏のレッスンを経て'14年1月に「さくらんぼ 恋しんぼ」でデビュー。ラジオ大阪『ほんまもん!原田年晴です』で水曜アシスタントを務めている。3rdシングル『故郷(ふるさと)さん、あいたいよ』が徳間ジャパンコミュニケーションズより発売中。

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