葉加瀬マイ 2018年11月29日号

わくわく地方競馬 スペシャルインタビュー:御神本訓史騎手(大井競馬)

掲載日時 2018年01月06日 12時00分 [エンタメ] / 掲載号 2018年1月11・18日合併号

わくわく地方競馬 スペシャルインタビュー:御神本訓史騎手(大井競馬)

 「人は壁を乗り越えるたびに強くなる」と言うならば、この騎手は間違いなく2年前よりもずっと強くなっている。騎手免許失効という壁を乗り越え、不死鳥のように舞い戻った御神本訓史(大井)。“騎手で馬券が売れる”数少ないスタージョッキーの素顔に迫った。

 2年半前、NARの免許委員会から電話でその事実を告げられた。「騎手免許は更新できない」。理由は分かっている。だが、身から出た錆だと納得できるまでには時間がかかった。「恥ずかしいことですが、最初はふてくされていた時もありましたよ。騎手なんてやめてしまえばいいんだと」。そうは言っても葛藤もあった。
 「1人の人間の生き方として、このままでいいのか。人としてちゃんと生きていかなくてはいけない、という思いが根底にあった」

 応援してくれる周囲の声も、御神本の背中を押した。
 「やはり騎手に戻りたい」
 三坂調教師には一番に相談した。自分の中では気持ちは固まっていたが、恩師に伝えることで決意を示した。「自分勝手だとは分かっていました」が、師は快く賛成してくれた。
 「自分でチャレンジと決めたならいいんじゃないか」

 競馬への情熱が消えない限り、目指していこう。調教専門厩務員として競馬に携わりながら、騎手免許再取得を目指した。
 「レースを見ることは全く辛くはなかったです。実際、自分は騎手でなく、今は厩務員が自分の仕事だと。自分のせいで騎手でなくなったわけですから、“悔しい”なんていうくだらない感情を持っていたら続けられなかったと思うし、あるがままを受け入れない限り、自分の精神的な成長もないと思っていました。そこは気持ちを切り替えて、本当に自然な気持ちで臨んでいました」

 '16年は残念ながら不合格。いつ受かるか分からない試験。ゴールの見えない毎日でも常にひたむきに前を向いていけたのは、
 「希望だけを信じて、ただ一生懸命頑張るだけだと。ジョッキーに戻りたいという情熱だけが支えでしたし、最後まで自分を引き留めてくれたのだと思います」
 夢は叶う。'17年3月16日、騎手免許試験合格は、ただただ「うれしかった」。4月1日付で免許が交付されたが、自身は調教中の負傷で療養中。「せっかく合格したのに、こんな状態かと。ジレンマもありましたし、不安もありました」。

 2年半もレースから遠ざかっていれば、レース勘を取り戻すには時間がかかるかもしれない。しかし、南関東リーディングを取っているスターの復活に、高いレベルでの結果が求められるのは分かっている。
 そして、8月28日、復活の日を迎えた。(次号に続く)

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