腸内細菌が顕著に減っている日本人 過剰な清潔志向きれいな社会は体に悪い!(2)

健康・2012/04/10 12:00 / 掲載号 2012年4月12日号

 先進国では「きれい」がビジネスになるということで、抗菌や消臭を売りにした商品が盛んに宣伝されるようになった。清潔にすることはいいことですが、抗菌グッズなどは行き過ぎています。
 たとえば、身の回りの皮膚常在菌は私たちを守っており、常在菌が元気だと脂肪酸の膜をつくり、悪いアレルゲンや細菌が入らないようにしています。体を洗い過ぎると、この菌がなくなってドライスキン(乾燥肌)となり、アレルギーなどにかかりやすくなります。
 オジサンたちは加齢臭を消そうと必死ですが、加齢臭は子供を安心させるために父親やおじいちゃんが発する匂いです。制汗剤も流行っていますが、これを使い過ぎると汗をかかなくなってしまいますよ。
 もし、出産直後の赤ちゃんが無菌状態で育てられたらどうなるか。マウスの実験で明らかになっていますが、決して元気には育ちません。
 トイレは抗菌仕様になっていますが、本当の抗菌にしたらお尻がただれるので、メーカーは抗菌力を弱くしています。
 TOTOの担当社員の方に会ったとき「(他社は)無駄な物質を付けて抗菌と謳っているので『ウチのトイレは抗菌成分を使っていません』と表示しようかと思っているんです」と言う。それは良いことですね、と答えました。ところが、抗菌成分を謳ったライバルメーカーが、売り上げで逆転してしまったんです。おかげで、TOTOの部長さんが責任取らされたみたいですよ。

 日本人はますます清潔志向になって、腸内細菌が顕著に減ってきています。腸内細菌が減ると、免疫力が落ちてしまうのです。ウンチの半分は腸内細菌の死骸ですから、日本人のウンチの量も減りました。今の日本人のウンチは、戦時中に比べると大きさが3分の1くらいです。戦時中の日本人の平均的な大きさは約400〜500mmもあり、世界最大級でした。
 今からでも遅くはありません。できるだけ、抗生物質、殺菌剤、防腐剤は使わないことです。そして、腸の健康は食べ物とストレスに左右されます。腸内細菌を育てるには、野菜や豆類、穀類といった“餌”を与えること。日本の場合、戦後に食事が欧米化した影響もありますが、できるだけファストフードなどは避け、お母さんが作った食物繊維たっぷりの食事を摂りましょう。
 発酵食品も腸にいいんです。腸内細菌が増えるようになれば、免疫力が高まります。免疫力の70%は、腸内細菌が作り出していることを認識して下さい。
 また、腸内細菌はドーパミンやセロトニンなどの幸せを感じさせる物質を脳に送っているので、うつにもならないということです。食物繊維の摂取量と自殺率は、反比例するという話もあります。
 そして、免疫力は気持ちの問題が大きいですね。何も難しく考える必要はありません。笑えばいいのです。笑いたくなくても、私は1日1回、大声で笑うようにしています。

 過剰な清潔志向、きれいな社会へ突き進んだ結果、人間と共生する菌を排除し過ぎたツケがいま返ってきているように思いますね。

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