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廃止寸前からの大復活! 高知競馬サバイバル“地方創生”戦略法(1)

掲載日時 2016年03月11日 17時00分 [エンタメ] / 掲載号 2016年3月17日号

 2002年度までに膨れ上がった累積赤字は88億円。それを高知県、高知市が清算する代わりに「今後、赤字が出たら即廃止」という厳しい条件を高知競馬は突き付けられる。
 そして始まった'03年度シーズン、救世主が出現した。“負け続ける”ことで全国的人気を得たハルウララだ。思わぬスターの誕生で、当地の入場者数、馬券売上額も増加。差し迫った存続の危機を何とか回避することとなった。

 しかし、ハルウララの引退により、バブルはあっけなくはじける。売上は年々減少し、'08年度には自場売上額が過去最低の38億8000万円にまで落ち込んだ。施設整備に使う財政調整基金を切り崩しながら、廃止に直結する赤字は何とか免れていたが、まさに状況は崖っぷち…。当時の状況を知る現高知県競馬組合管理者・笹岡貴文氏はこう語る。
 「“90%もう死んだ”と思っていました。実際、職員や現場の調騎会(所属の調教師、騎手で構成)、厩務員会といった関係者全員が、とても疲弊していました」

 とはいえ、高知競馬に携わる人々から「もう辞めよう」という声は一つも上がらなかった。10%の給与や賞金カットを受け入れ、存続の方向で関係者がまとまる中、高知県競馬組合は大きな賭けに打って出る。中央(JRA)、地方を含め、日本の競馬場では初となる通年でのナイター開催、愛称『夜さ恋(よさこい)ナイター』の実施だ。同組合の松本太一氏が裏話を披露してくれた。
 「まず、簡易的なナイター設備で試験的に馬を走らせてみたのですが、思っていた以上に厳しい結果でした。これでは開催自体が難しいかも、という状況だった。でも、いざ常設の設備を作るために設計の見積もりを出してもらったら、意外な安価でできることが分かったのです。入札で工費を抑え、補助金も出たので、最終的には1億7000万円ほどでナイター設備が完成しました。同時期にナイター設備を造ったホッカイドウ競馬の門別競馬場と比較して、かなり安上がりで済んで本当によかったなと安堵しました」

 '09年7月24日から実施された『夜さ恋ナイター』は、仕事が終わってから競馬場に足を運ぶ地元のファンの他、オッズパークや楽天競馬といったインターネットで馬券を買う、他地域に住む在宅の競馬ファンを取り込むことにも成功する。高知県競馬組合が紙面を買い、在関東、関西のスポーツ紙に高知競馬メーンレースの馬柱(出馬表)を掲載したこと、またスカパーでのレース放映が始まったことも、在宅競馬ファンの高知競馬への認知度を高める一因となった。
 『夜さ恋ナイター』が始まった'09年度の自場売上額は、過去最低の数値を記録した前年度から16億円増の54億8000万円。うちインターネットによる馬券販売は25億5000万円を占め、こちらは前年度から、およそ3.5倍増となった。

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