美音咲月 2019年7月25日号

〈男と女の性犯罪実録調書〉③“合意の上”と容疑を否認

掲載日時 2019年07月04日 00時00分 [官能] / 掲載号 2019年7月11日号

 だが、戻ってきたらまた待ち構えていて、腰に手を回し、胸の上に顔を埋めるような体勢になって、服の上から胸を噛んだ。これが山下独特の性癖なのだ。女性の体の一部を噛むと、異常に興奮するのである。
「もうガマンできん。セックスさせてくれ!」

 山下はズボンを脱いで、イチモツを取り出して迫ってきた。
「キャーッ!」

 美樹さんは逃げ出し、智子さんに電話した。
「もうイヤです。あの家には行けません!」

 その2日後、智子さんが代理で山下の家を訪問し、「担当の堀江から話は聞いている。泣いて電話があった。山下さんの行為は行きすぎじゃないですか?」とはっきり口頭で注意すると、山下は激怒し、「お前にそんな資格があるのか。お前は分かって言っとんのか。お前はもう帰れ。責任者を呼んで来い。お前は頭がおかしい。オレの言っとることが分かっているのか。謝れ!」と怒鳴りつけ、智子さんの髪をつかんで後ろに引き倒し、首にケガを負わせる暴行を働いた。

 智子さんは山下の家で起きたことを事業所に報告。事業主は警察に相談した。

 美樹さんと智子さんは、すぐに被害届を出すのをためらっていたが、「泣き寝入りするのではなく、声を上げることで現場が改善されていく」と説得され、刑事告訴することにした。

 山下は強制わいせつと傷害容疑で逮捕された。傷害容疑については認めたが、強制わいせつ容疑については「合意の上だった」と否認した。だが、保釈が認められず、別件で再逮捕されるとしょげ返り、反省の弁を口にした。

 「若くてかわいい女の子が自分の世話をしてくれて、触りたいという気持ちが抑えられなくなってしまった。注意されて腹が立ち、自分のやったことを棚に上げ、何とかごまかしたいという気持ちから暴行を働いてしまった。介護員さんがそういうつもりで来ているわけではないことは分かっています。自分の中に甘えや思い上がりがありました。でも、また2人きりになると、同じことをしてしまう可能性があります。今後は男性の介護員さんに来てもらい、自分でできることは、なるだけ自分でしたいと思います」

 訪問介護員は9割以上が女性で、そのうちの半数近くがセクハラを受けたことがあると答えている。専門家同士でも意見が分かれ、「『奥さんや娘さん(息子さん)に言いますよ』と毅然と対応すべき」という声もあれば、「利用者との信頼関係の構築が大事。プライドを傷つけず、笑顔の対応を忘れないようにしましょう」という意見もあって、現場の混乱を招いている。

 厚労省は「セクハラ対策を打ち出すのは事業主の義務」としており、その指針を細かく提示しているが、介護現場におけるセクハラ問題は“社会の急所”というべきもので、その対策は十分ではない。

 ちなみに山下は懲役2年執行猶予4年の有罪判決を言い渡されて釈放された。

 今後も、裁判員裁判の対象となるような凶悪なわいせつ事件が起きてもおかしくはないだろう。
(文中の登場人物はすべて仮名です)

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