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オウム真理教が拭いきれない『ひかりの輪』 外部監査委員交代の裏

掲載日時 2016年02月28日 15時00分 [社会] / 掲載号 2016年3月3日号

 松本サリン事件('94年)の被害者、河野義行さん(66)が、昨年12月31日付けでオウム真理教の元幹部・上祐史浩氏が設立した「ひかりの輪」の外部監査委員会委員を辞任していたことが分かった。

 同委員会は、オウム真理教事件再発防止の観点から「ひかりの輪」の運営が適切か否かをチェックする目的で、「ひかりの輪」が設置したもの。3人以上の有識者によって構成され、河野さんは2011年12月に代表委員に就任していた。
 河野さんと言えば、松本サリン事件では妻をオウム真理教によるサリン散布によって殺害され、自らは実行犯の疑いで逮捕される(後に冤罪が判明)という体験の持ち主で、いわば事件最大の被害者。それだけに就任時は「利用されている」という批判的な声も多かった。河野さんは「在任中は適切な監査ができたと考えている。一身上の都合で辞任した」とコメントしているが、辞任の意思は一昨年頃からと見られており、その間、昨年末に至るまで委員会は開催されていない。

 事情に関して、ある宗教ライターがこう推測する。
 「確かに鹿児島在住の河野さんにしてみれば、委員会の度の上京は大変です。しかしそれ以上に、松本サリン事件の被害者による“国の公安審査委員会、『ひかりの輪』のいずれからも中立であるべき”との説得が大きかったようです。委員のメンバーは、外部とはいえ『ひかりの輪』の人選によるシンパ的な人間が主体。河野さんのように完全な第三者であろうとする人には、悩むところがあったのでは」

 辞任の発表が遅れたことには、後任の人選の難航と、この間の「ひかりの輪」に対する「団体規制法に基づく3年間の観察処分更新」が影響しているようだ。
 「今後は代表委員を置かず合議制になるようで、後任は、某女性デザイナーが有力視されている。しかし河野さんは社会に対し“開かれた『ひかりの輪』”の象徴だった人だけに、辞任は痛いはず。加えて観察処分が更新されたことで、『ひかりの輪』は、オウムから改称した『アレフ』との違いをさらに強調していく必要がある。そのため、上祐代表が今まで以上に表に出て行くことになるでしょう」

 最近は宗教団体であることを否定し、仏教哲学サークルとしての活動を前面に打ち出している『ひかりの輪』だが、“オウム真理教上祐派”を拭える日はまだ先のようだ。

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