林ゆめ 2018年12月6日号

話題の1冊 著者インタビュー 与田剛 『山本昌 レジェンドの秘密』 自由国民社 1,200円(本体価格)

掲載日時 2015年12月27日 17時00分 [エンタメ] / 掲載号 2015年12月31日号

 −−数々の著書がある与田さんですが、今回、なぜ山本昌さんを取り上げようと思ったのですか?

 与田 山本昌の方がプロ入りは私より6年早かったのですが、同じ年齢ということもあり、公私ともに随分と世話になりました。50歳まで現役を続け、今年引退したことは、皆さん、すでにご存知だとは思いますが、彼の考え方や姿勢などは若い世代の人たちにも十分参考になると思います。それらを皆さんに知ってもらいたいと思ったのが本書を上梓したきっかけです。

 −−野球に対する姿勢や感覚の話をよくしたそうですが、どのような話をしたのですか?

 与田 よく昌は「30歳、40歳になっても野球で生活できることはありがたい」と言っていました。これは一方で「現役にしがみつく」という表現でもあるのですが、誰もが簡単にできることではありません。自分自身のスタイルをそのとき、そのときで変えることができる昌ならではなんですね。一般的に選手は、自分の投げ方や打ち方などを簡単に切り替えることを躊躇するんです。でも、昌が結果的に50歳まで現役を続けてこられたのは、自分がどう変わっていけば通用するのか、そのためにはどんな練習をすればいいのかを見つける嗅覚が鋭いからなんです。年を取れば徐々に球速も落ちていきます。同じような投球をしていたらプロでは通用しません。そこで、どう自分を変えていくのか? 不調になる前から常に自分を進化させ、備えた点が大きかった。

 −−昌さんは歴代監督の誰に対しても感謝の念を持っていたとあります。サラリーマンにとっては部課長などの上司ということになりますが、なかなかできることではありませんが(笑)。

 与田 野球選手の場合は、グラウンドで結果を出せば待遇などの権利を主張することができます。サラリーマンの場合は、自分が頑張ってもすぐに給料が上がったり、昇進するわけではありませんが、「自分に何ができるか」と考えることは大切じゃないでしょうか。私も大学卒業後、2年間サラリーマンを経験しましたが「会社のために」という意識ばかりだと挫折してしまうこともあると思います。この仕事をすることによって「自分の可能性が広がる」と考えれば、新たな自分が見えてくるでしょう。昌の現実認識力が素晴らしいのは「たら、れば」を言うのではなく、その環境の中で何をすべきかを考えた方が成長が早い、と考えていたことです。これはサラリーマンにも通じるのではないでしょうか。
(聞き手:程原ケン)

与田剛(よだ つよし)
1965年12月4日福岡県生まれ、千葉県出身。木更津中央高校、亜細亜大学、NTT東京を経て、'90年にドラフト1位で中日ドラゴンズ入団。最優秀新人賞と最優秀救援投手に輝く。引退後はNHK解説者、WBCコーチなど幅広く活躍。

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