菜乃花 2018年10月04日号

家出中に援デリ中国女を殺害 引きこもり男のパニック逃亡40時間(3)

掲載日時 2016年09月05日 23時00分 [事件] / 掲載号 2016年9月8日号

 谷中は部屋にあったパイプ椅子を振り上げ、女の後頭部を思いっ切り殴った。
 「ぐああああっ…」
 女は倒れ込んだが、なおも暴れるので、谷中はバラバラになったパイプ椅子の残骸で女の顔面を殴り続けた。気が付くと、女は血まみれになっていた。
 「どうしようか…。この場に残しておけば、ホテルの従業員が病院に運んでくれるんじゃないか?」

 谷中は女のバッグを持って1人でホテルを出た。しばらく車を走らせていると、女のバッグの中の携帯が鳴った。無視しているとすぐ切れたが、間を置かず今度は自分の携帯が鳴り、〈荷物忘れたから戻ってきてほしい〉というメールが入った。それは自分が鈴音に会う前にやり取りしていたメールアドレスだった。
 「そうか、分かったぞ。この女、援デリなんだ。サイトに書き込む担当と実際に来る女は違うんだ。こんな奴に騙されちまって…」
 谷中はムカついて女の携帯を海に投げ捨てた。

 そのころ、ラブホテルの従業員が全裸で倒れている鈴音を見つけた。まだ息があったので救急車を呼び、警察の捜査で被害者は観光ビザでやってきた中国籍の女(38)と判明した。警察は防犯カメラに映った映像から逃走車両を割り出し、その車は早朝に谷中の父親から「息子がいなくなり、車もない」と届けがあったものだと分かった。谷中の身元は簡単に割り出され、翌日には殺人容疑で全国指名手配されることになった。

 一方、谷中は逃亡先のマンガ喫茶で被害者が死亡したことを知った。変装するために金髪に染め、自分の趣味とはかけ離れた服を買い、できるだけ現場から離れようと遠くへ車を走らせたが、高速道路のサービスエリアで仮眠を取っているとき、「コンコン」と警察官に窓ガラスをたたかれた。
 「谷中周平さんですね。お尋ねしたいことがあるので車から降りて下さい」

 それだけで観念した。谷中は「死にたかった…」とつぶやいた。谷中はとりあえず無免許で車を運転したという道交法違反容疑で逮捕され、すぐさま迎えに来た管轄署によって、殺人容疑で再逮捕された。
 「家を出たときから死ぬつもりだった。若い子とセックスしてから死にたいと思ったのに、ろくに言葉もしゃべれない年増の外国人が来て、騙されたと思った。金を返してもらいたかったが、相手に騒がれてパニックになり、パイプ椅子で殴ってしまった」

 やったことは強盗殺人である。痴話喧嘩どころではない。谷中は「人が死ぬ危険性が高い行為と認識していた。逃亡後に変装するなど、合理的で一貫した行動を取っていた」と断罪され、求刑通り無期懲役を言い渡された。
(文中の登場人物はすべて仮名です)

関連タグ:男と女の性犯罪実録調書

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