祥子 2019年5月30日号

【話題の1冊】 著者インタビュー 倉井眉介 『怪物の木こり』 宝島社 1,380円(本体価格)

掲載日時 2019年03月14日 15時30分 [エンタメ] / 掲載号 2019年3月21日号

【話題の1冊】 著者インタビュー 倉井眉介 『怪物の木こり』 宝島社 1,380円(本体価格)
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★読者が叫び声を上げる作品を作っていきたい

――10年間フリーターをしながら小説を書いていたそうですが、昨年4月から就職し、筆を置いていたとか。本作は最後の小説のつもりだったんですか?
倉井 その辺は少し複雑で、実は『怪物の木こり』は、初め江戸川乱歩賞に送るつもりでした。ですが結局、締め切りに間に合わないという失敗をしてしまい、一旦、就職することにしたんです。しかし、人生は分からないもので、働き始めた2週間後に、代わりに送った別の作品が乱歩賞の最終候補に残ったんです。それで奮い立った私は、だったら『怪物の木こり』を「このミステリーがすごい!」大賞に送り、2大タイトルを両方獲ってやる! と再び筆をとりました(笑)。結果、大賞を獲ることができたんです。もし、落ちていたら、もう二度と書いていなかったかもしれませんね。

――感情をコントロールする“脳チップ”など、斬新な設定やプロットが評価されています。どんなところからヒントを得ているのでしょうか?
倉井 多いのは他人の作品ですね。小説に限らず、海外ドラマ、映画、漫画などを見ていると、こうした方が面白い、この脇役を主人公にすべきだ、といった考えが浮かび、そこから話を思いついたりします。本作も『デクスター』という海外ドラマの“普通の人間であろうとする殺人鬼”の設定を逆にしたらどうなるかという考えから生まれています。他にも『ドクターハウス』『クリミナルマインド』といった海外ドラマの影響も受けていますから、それらの作品が好きな方にも楽しんでいただけるかと思います。

――SFチックで映画のようなエンタメ性が特徴的ですね。最初から意識していたんですか?
倉井 かなりありますね。応募にあたり、いろいろな賞の選評を読んだのですが、受賞作はすべてリーダビリティーがあるとほめられていて、とにかく面白く読めるようにしなければいけないんだな、と意識しました。ミステリーは解決部分以外はイマイチという作品も多いので、私は全ページ面白くしてやろうと、場面ごとに展開があるような話づくりを心掛けました。

――今後はどんな作品を書いていきたいですか?
倉井 読者が「うおぉぉ」と叫びたくなるような、心揺さぶられる作品ですね。本作は設定上、主人公が冷静なせいで読者もそれに引っ張られるんですよね。ですから次は、主人公をもっと必死にさせ、読者の皆さんが電車や飲食店の中で突然、叫び声を上げてしまうような話にしたいと考えています。
(聞き手/程原ケン)
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倉井眉介(くらい・まゆすけ)
1984年、神奈川県横浜市戸塚区生まれ。帝京大学文学部心理学科卒業。第17回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、'18年に『怪物の木こり』(宝島社)でデビュー。

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