美音咲月 2019年7月25日号

常務横領事件でやぶ蛇 疼きだすドン・キホーテ安田会長の古傷(1)

掲載日時 2011年01月25日 11時00分 [社会] / 掲載号 2011年1月27日号

 「イヤー、最高に笑える」−−。不祥事にもかかわらず、そんな不謹慎極まりない書き込みが東証1部上場の安売りチェーン、ドン・キホーテの掲示板に飛び交っている。同社は昨年12月14日、最高コンプライアンス責任者の稲村角雄常務が「一身上の都合」で退任したと発表した。むろん、この段階では詳しい事情を明らかにしていない。
 ところが暮れも押し詰まった12月30日の夕方4時過ぎ、同社は稲村前常務が会社資金を横領したとして刑事告訴の手続きに入ったと発表した。同常務は2009年1月から'10年10月にかけて実体がないコンサルティング費用を不正に決済し、会社側に3134万円の損害を与えたことが会計の社内監査で判明。本人が私的流用の事実を認めたという。

 繰り返せば、ドンキが前常務の横領事件を公表したのは大納会終了後の30日夕方のこと。翌年の大発会(1月4日)まで市場は休みのため、市場関係者は「株価に影響を与えない絶好のタイミングを狙った」と舌を巻く。しかも、その段階では前常務の刑事告訴まで発展しておらず、後に告訴へ踏み切ったとしても市場に与えるインパクトは限定的だ。
 「法令を遵守すべきコンプライアンスの責任者の横領事件だから、ドンキがナーバスになって当たり前です。まして創業者オーナーの安田隆夫会長はオリンピックなどのオーナーとタッグを組んで株式投資を行うなど、以前からその道のプロを自負してきた御仁。だからこそ発表に際して株価に極力影響しないよう細心の注意を払ったということでしょうが、個人投資家にまで『最高に笑える』とコケにされたこと自体、本人とすればメンツ丸潰れです」(大手証券マン)

 稲村前常務の横領額は3134万円だが、刑事告訴することで一件落着とは必ずしも収まらない。というのも同社は、経理部門を「フィデック」なる会社に外注しており、そこに稲村前常務が着目した疑いがもたれている。従って刑事事件化に伴い、国税当局が上場会社としては極めて異例な“経理丸投げ”の実体に踏み込めば新たな事件に発展しないとも限らないのだ。
 「横領事件に手を染めた稲村常務は安田会長の側近中の側近として知られ、'09年11月には安田会長がスポンサーを務める総合格闘技イベント、SRCの取締役に抜擢されている。当時の取締役を解任してのことで、これを機に彼はSRCの表の顔に躍り出たのです。その一方でチャッカリ私服を肥やそうとしたのですから、安田会長にとっては飼い犬に噛まれた心境でしょう」(経済記者)

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