菜乃花 2018年10月04日号

時短決裂後の刑事告訴で悲劇… ナンパとレイプ 境界線上の争い(1)

掲載日時 2017年07月01日 23時00分 [事件] / 掲載号 2017年7月6日号

 事件の被害者となる女子大生の阿部幸恵さん(20)は、病的なほど心配性な母親に育てられた。
 「街中で声を掛けられた男の人に付いて行っちゃダメよ。AVの勧誘だったり、ホストの営業だったりするんだからね。そういう人を誘発しないように髪形や服装も派手にしちゃダメ。何かあったら、すぐお母さんに連絡しなさい」

 もちろん幸恵さんも分かっていたつもりだったが、ある日、駅で掛けられた言葉に、思わず振り向いて立ち止まってしまった。
 「そのバッグ、コーチのニューモデルでしょう。素敵ですね」
 「あら、分かります?」
 「もちろん分かりますよ。僕、輸入雑貨を扱う貿易会社に勤めているんです」

 男は寺田秀樹(27)。学生時代に米国に留学したことがあり、コーチの本社を訪れたこともあると力説した。
 英米科で学ぶ幸恵さんは「ホントですか?」と思わず声を弾ませた。
 「休日はボランティアで外国人セレブ相手に観光案内もしてるんですよ。もしよかったら、来ませんか?」
 幸恵さんはそれがナンパとは思わず、相手に対する関心から連絡先を交換した。早速その翌日から、頻繁に連絡が来るようになった。

 だんだん打ち解けてくると、〈本当は幸恵ちゃんのことがかわいいと思って声を掛けたんだ〉〈今もこうして連絡を取れることが本当に幸せだよ〉といった口説き文句を送ってくるようになった。実は、寺田はホスト崩れのフリーター。経歴もデタラメだった。
 だが、男に対して免疫のなかった幸恵さんはデレデレになった。
 〈今度、食事でもしませんか。お会いした駅の近くに、おいしいフレンチレストランがあるんですよ〉
 幸恵さんは了承。むしろまた会って話したいと思っていたのは彼女の方だった。
 〈私の方こそ、楽しみにしています。当日はおめかししていきますから〉

 数日後に会った寺田はブランド物のスーツを着ていた。こうした大人の男性と食事をするのも、幸恵さんには初めての体験だった。
 夢のような気分で2時間ほど過ごし、夜風に当たりながら2人で歩いていたところ、いつの間にかホテル街に着いた。
 「ちょっと、休んでいこうか?」
 「えっ?」
 「なァ、いいだろ?」
 「私…、そんなつもりで来たわけじゃありません」
 「僕は幸恵ちゃんのことが好きになったんだよ。好きになるのに時間なんか関係ないだろ?」
 「だったら、私の気持ちをもっと尊重して…」

関連タグ:男と女の性犯罪実録調書

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