森咲智美 2018年11月22日号

やくみつるの「シネマ小言主義」 20年ぶりに再会した同級生が世界を救う! 『セントラル・インテリジェンス』

掲載日時 2017年11月06日 14時00分 [エンタメ] / 掲載号 2017年11月9日号

やくみつるの「シネマ小言主義」 20年ぶりに再会した同級生が世界を救う! 『セントラル・インテリジェンス』

 まず最初に申し上げておきたいのが、この邦題。原題そのままなのでしょうが、『セントラル・インテリジェンス』ではシリアスすぎて、この映画の持つ「ドタバタ喜劇感」がうまく伝わっていない気がしてなりません。
 本作は、今や世界一稼いでいる(らしい)元プロレスラーのアクションスターと、世界一稼ぐ(らしい)コメディアンがタッグを組んだ、新バディ映画。
 おそらく続編を予定しているであろう終わり方でしたから、“シリーズ第1回にふさわしい邦題が望ましい”のですが、たいした代案を思いついたわけではないのです。昭和のクレージーキャッツ全盛の時代でしたら『凸凹コンビ、同窓会だよ!大乱闘』といったところでしょうか。

 でも、映画自体はテンポもいいし、誰が黒幕なのか、騙し騙されの展開も飽きさせません。
 何より、2人が高校の同級生だったという設定が、やけに等身大でユニークです。
 やたらとマッチョなヒーローは、実は高校時代は気の弱いデブで、いじめられっ子。しがない中年会計士は、かつては学年一の人気者だったという関係は、そういう逆転現象もあり得るかも、と思わせます。

 ただ、自分の場合は、若い頃から今にいたるまで、人間関係が希薄なため、相棒と呼べるような人は皆無ですし、中・高と男子校だったため、この映画のように憧れだった女子生徒とどうのこうのといった思い出もなく、味気ないもんです。
 だいたい、アメリカのスクールドラマや映画によく出てくる「プロム」とかいう卒業ダンスパーティーってなんなんだ、浮わついてないで勉強しろよ、と常々、思っておりました。

 とはいえ、小学校は地元の学校へ通っていたため、そこの同窓会にだけは定期的に顔を出しています。
 現在、58歳前後の男女が集まっているわけですが、今だに「女子」と言って「子」がとれないのはいかがなものか。もはや初老といってもいい年齢なのですが…。そういえば、毎年のように同窓生自身やその伴侶の逝去の知らせを聞きます。
 去年、自分と同じように友人が少ない系の1人が奥さんを亡くし、あまりに落ち込んでいるので、この連載で取り上げた映画を一緒に見に行きました。
 妻を亡くした孤独な老人が立ち直る物語。やや荒療治かとも思いましたが、この連載のおかげで映画の力を感じていましたので連れ出したわけです。
 20年ぶりに再会した同級生がタッグを組む本作を、同窓会帰りに見に行くのも一興かもしれません。

画像提供元:(C)2016 Universal Pictures, Warner Bros. Entertainment Inc. and RatPac-Dune Entertainment LLC

■『セントラル・インテリジェンス』監督/ローソン・マーシャル・サーバー
出演/ドウェイン・ジョンソン、ケヴィン・ハート、エイミー・ライアン、アーロン・ポール、ジェイソン・ベイトマン
配給/インターフィルム、REGENTS

 11月3日(祝・金)全国ロードショー。
 高校時代は人気者だったが、現在は冴えない人生を歩んでいる中年会計士のカルヴィン(ケヴィン・ハート)。そんな彼のもとに、当時、いじめられっ子だったボブ(ドウェイン・ジョンソン)から20年ぶりに連絡が入る。いやいや会ってみると、気弱なデブだったボブは筋骨隆々とした肉体のCIA捜査官になっていた。濡れ衣を着せられ組織から追われているというボブに、なぜかカルヴィンは彼に手を貸し、一緒に逃げることになるが…。

やくみつる:漫画家。新聞・雑誌に数多くの連載を持つ他、TV等のコメンテーターとしてもマルチに活躍。『情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)、『みんなのニュース』(フジテレビ系)レギュラー出演中。

関連タグ:やくみつるの「シネマ小言主義」

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