葉加瀬マイ 2018年11月29日号

わくわく地方競馬 スペシャルインタビュー 佐原秀泰騎手(高知競馬)

掲載日時 2017年03月15日 18時00分 [エンタメ] / 掲載号 2017年3月23日号

 いい馬と出逢い、大きなレースに乗ることで騎手は変わっていく――。
 高知、福山、川崎を経て再度、高知で活躍を続け、通算1000勝を目前に控える佐原秀泰騎手(高知・那俄性厩舎)に聞いた。

 「あの馬が競馬に対しての考え方をすべて変えさせてくれました」
 '97年に高知でデビューした佐原騎手が、福山競馬に移籍したのは'01年のこと。その移籍から10年ほどがたち、自分自身に迷いがあった頃に出会ったのが、後に「福山の女神」と呼ばれたクーヨシンだ。最初はそれほど目立つわけでもなかったが、どんどん強くなり、佐原騎手を背に重賞を勝ちまくった。
 「自分が失敗しても、馬が失敗を補ってくれた。馬が勝たせてくれるんです」

 そしてその数年後に、福山の怪物カイロスに出会った。「勝つより負けることのほうが難しい。それが分かった時、本当の意味で勝てるようになる」とは、かつて福山史上最高の名馬と言われたローゼンホーマの主戦騎手だった那俄性師の言葉。それを実感させてくれたのがカイロスだった。
 「勝ちたい」という気持ちだけでは、競馬は勝つことはできない。一頭一頭に向かい合って、深く取り組んでこそ勝てるようになる。それは、福山で出逢った2頭に教えてもらった。

 その後、福山競馬廃止に伴い、川崎競馬へ移籍。そして高知競馬へ戻って来た。移籍当初は福山と違うレース展開に戸惑い苦しんだが、実戦を重ねていくうちに勝ち星も増え、3年目以降はリーディング上位に名を連ねた。そして出逢ったのが牝馬ディアマルコ。高知競馬では17年ぶりに2歳新馬戦が復活。そこで高知生え抜き一期生となるディアマルコが高知優駿を獲り、のじぎく賞、兵庫サマークイーン賞と重賞制覇の偉業を成し遂げる。このコンビの活躍は、長らく低迷が続いた高知競馬の復活、その象徴のようでもあった。
 今年の目標は、ディアマルコをさらに大舞台で勝たせること。2歳シーズンでは惜しくも優勝できなかったグランダムジャパン、今年こそはその称号をディアマルコに獲らせてあげたい。

 そして運命のいたずらか、福山から南関東を経た自分と同じ道のりを歩み、カイロスも今、高知競馬にいる。
 「カイロスに乗れることは幸せ。南関東の時の分もよさを引き出してあげたい」

 人よりも「遠回り」してきたかもしれないが、そうでなければ出会わなかった馬たち。
 「遠回りではなかったんですよね。自分が前向きじゃなかっただけ」

 紆余曲折の末、受け入れてくれた高知競馬。恩返しのためにも、もう立ち止まっているわけにはいかない。佐原騎手の第二章は今始まったばかりだ。

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