葉加瀬マイ 2018年11月29日号

LiLICoオススメ「肉食シネマ」 カラフルな死者の国! 大切な人を忘れないで 『リメンバー・ミー』

掲載日時 2018年03月21日 16時00分 [エンタメ] / 掲載号 2018年3月29日号

LiLICoオススメ「肉食シネマ」 カラフルな死者の国! 大切な人を忘れないで 『リメンバー・ミー』

 ディズニー・ピクサーの最新作『リメンバー・ミー』を見て、物語の舞台となるメキシコの“死”に対する考え方がちょっと日本に似ているのに驚き、そして、とっても嬉しくなりました。
 人は身体的に亡くなったあと、その人のことをみんなが忘れ、記憶からもなくなる時が本当の死。“ご先祖や亡くなった友達、愛する人など、大切な人を永遠に忘れないで”と伝えるかのように、作品は優しさと家族を思う気持ちに溢れています。そんなことを改めて教えてくれるのがキュートなガイコツたち(笑)。キャラクターだけ見るとビックリですが、愛嬌たっぷりなのです。

 切ない思い出のために、音楽を禁じられた家庭に育った12歳の少年ミゲル。でも彼は音楽が大好き。ギターの腕前もなかなかのものでミュージシャンを夢見ている。そんな彼が、年に一度だけ、死者が家族に会いに来られる“死者の日”に、とんでもない冒険を経験することになるのです。
 この死者の日って、いわゆる日本ではお盆のことですよね。でも、映画の中の“死者の国”を見て、私は息を飲んだ。なんて美しい色彩! 死者の国がこんな所だったら、亡くなった私の母も、少しは癒やされてるかなぁ〜、と思ってしまったのです。
 それと、死者が私たちの方へ来るには橋を渡らなければいけないのですが、これも、日本っぽい感じでしょ? しかし、渡るには条件があるのです。誰かがちゃんとその人のことを思っていること。写真を飾っていなかったりしたら橋を渡れない。ほとんどの人は祖父、祖母までくらいしか会ったことはないから、それ以前の親戚のことを思ってくれる人がいなくなったらどうなる? それが実際に起ころうとした時、大粒の涙が流れます。

 ディズニー・ピクサーだからって、子供向けと決めつけてはいけません。今回は大人へのメッセージだと思います。私は祖母、母、亡くなった友達の写真を飾っています。毎朝キャンドルを灯して、どんなに忙しくても彼らの写真にニコッとする。それは決め事ではなく自然に。この映画を見て、そんな自分にホッとしました。忘れないでいよう! 家族の絆、そしてこれからも続いていくことを。
 ディズニーらしい曲のオンパレード。主題歌『リメンバー・ミー』を歌うシシド・カフカと東京スカパラダイスオーケストラのおかげで、清々しいハッピーな気分で映画館を出られます。

画像提供元
(C)2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

■『リメンバー・ミー』
監督/リー・アンクリッチ
声の出演/アンソニー・ゴンサレス、ガエル・ガルシア・ベルナル、ベンジャミン・ブラット、アランナ・ウバック、レニー・ビクター
配給/ウォルト・ディズニージャパン

 3月16日(金)全国公開。同時上映『アナと雪の女王/家族の思い出』。
 天才的なギターの才能を持つ少年ミゲルは、過去の悲しい出来事が原因で一族全員、音楽を禁止されている、ある日、先祖が会いにくるという死者の日に開催される音楽コンテストに出ることを決めるが、憧れの伝説的ミュージシャン、デラクルスの霊廟に飾られたギターを弾いた瞬間、ミゲルは死者の国に迷い込んでしまうのだった。元の世界に戻れずに困っているミゲルは、ヘクターというガイコツとともに方法を探るのだが…。

LiLiCo:映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS「大様のブランチ」「水曜プレミア」、CX「ノンストップ」などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。

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