葉加瀬マイ 2018年11月29日号

『京都国際映画祭』大盛況でも“吉本映画祭”化の課題

掲載日時 2016年10月26日 15時00分 [芸能] / 掲載号 2016年11月3日号

 “映画もアートもその他もぜんぶ”をテーマにした第3回『京都国際映画祭』が、10月13日から16日まで、京都市内各所で開催された。
 「京都市の協力により、オープニングセレモニーは世界遺産の元離宮二条城中庭で行われました。芸妓さんたちの祝いの出し物である“手打ち”も披露され“京都上ル上ル”のキャッチコピーにふさわしい幕開けでした」(映画関係者)

 同映画祭は、以前に行われていた『京都映画祭』を継承する形で3年前にスタートした。
 「今年のアンバサダーは京都で数多くの作品の撮影をしているという縁で、女優の名取裕子が務め、スペシャルゲストでは1回目から参加しているロックンローラーの内田裕也も登場。日本映画の父、故・牧野省三監督を冠にした牧野省三賞のプレゼンターだった牧野監督の孫・津川雅彦は、挨拶の間に内田が毎度のごとく『ロックンロール!』と相槌を入れるのを嫌がっていたんですが、今年はやらなかった。関係者はホッとしていましたよ」(映画記者)

 その牧野省三賞では、『瀬戸内ムーンライト・セレナーデ』などの作品で知られる篠田正浩監督が受賞。同作主演の長塚京三がお祝いに駆けつけ、篠田監督は「私が映画界で初めて賞をいただいたのが『暗殺』で、『京都市民映画祭』。すでに映画を撮っていない自分の最後の賞も『京都国際映画祭』になった」と、京都との縁を感慨深げに語った。

 映画祭は吉本興業の芸人たちが中心となり盛り上げ、大盛況のうちに終了。しかし、「問題点が残った」と言うのは、前出の映画記者。
 「開催にあたり、安倍首相をはじめ政治家の祝電が長々と続いたんです。一昨年の『東京国際映画祭』で総合プロデューサーを務めた秋元康氏が安倍首相をゲストに呼び、映画祭を政治利用したふしがある。『京都国際映画祭』だけには政治を持ち込んでほしくないですね」

 加えて、前出の映画関係者はこう言う。
 「主催が吉本興業だけに『沖縄国際映画祭』同様、吉本芸人が絡んだ作品が多くノミネートされたが、これでは“吉本映画祭”。発展させるためには、その年に上映されて話題になった作品をノミネートすべきでは」

 映画界発展のためにも、同映画祭には課題をクリアしていってほしい。

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