紗綾 2019年8月1日号

やくみつるの「シネマ小言主義」 ブスを「B」と言い換える時代のラブコメディー「Bの戦場」

掲載日時 2019年03月22日 15時30分 [エンタメ] / 掲載号 2019年3月28日号

やくみつるの「シネマ小言主義」 ブスを「B」と言い換える時代のラブコメディー「Bの戦場」
画像提供元:(c)ゆきた志旗/集英社 (c)吉本興業

 誰もが認める「絶世のブス」が主人公。ウエディングプランナーの仕事に打ち込む中で出会う“ブス専”のイケメン上司や、仕事仲間、お客様との間で繰り広げられるドタバタラブコメディーです。

 いったいどうやって、実話読者におすすめしたものか…と思いましたが、まあ、気楽〜に見に行かれる分にはいいのではないかと。

「ブス専」が本当にいるのかという問題は別として、今はうかつに「ブス」と言えない時代になりました。先日も、お笑いコンビ『相席スタート』の山﨑ケイが書いた『ちょうどいいブスのススメ』というエッセイを原作にしたドラマのタイトルが、「女性蔑視」、「男社会に媚びすぎ」とネットで炎上し、タイトル変更したということがありました。

 本作の場合は、原作のライトノベルのタイトルが「B」となっていたようです。ちゃんと差し障りのない逃げ道を作っているようですが、じゃあ「ちょうどいい」のはダメで、「極端なブス」はいいのか? という問題もあります。

「絶世のブス」「絶滅危ブス」という表現をしていますが、この炎上社会では通用するのか、やや心配ではあります。『ガンバレルーヤ』よしこが主演なら、さすがの「何とか炎上させてやろう」という輩も納得せざるを得ないと計算づくであれば、それはそれでコワイ…。

 しかし、正直なところ、自分も含む野郎たちの脳内に、DNAレベルで刷り込まれている「性格第一とは言ってみても、見栄えがいい方に惹かれてしまう」という根深い意識は、残酷なばかりに抗いがたいものがあると言わざるを得ません。これはもう、子孫を残す生物としての本能でしょうか。それは、女性とて同じことでしょう。生き物なんだから、しょうがないです。

 この映画では、よしこちゃんと、速水もこみち、大野拓朗とが三角関係になるのですが、あまりに絵空事、ファンタジーすぎる。最近、実話に基づいた映画を見すぎてしまい、「それはないよ」と思ってしまうのです。

 正直言って自分は学級で4番目に可愛い子が理想。4番でも結構な高望みだとは思いますが、それがおそらく本能なんだと思います。

 だからというわけではないですが、「プチ整形」から「本格整形」まで、本人さえよければ何でもあり派です。自分も「最近、目が大きくなった」とプチ整形疑惑を報じられたりしましたが、これは緑内障の目薬でくっきり二重になったのと、白内障の手術で視力がよくなり、眼鏡のレンズが薄くなったせい。老化には、ちょっとだけいいこともありますよ。

画像提供元:(c)ゆきた志旗/集英社 (c)吉本興業
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■Bの戦場
監督/並木道子 出演/よしこ(ガンバレルーヤ)、大野拓朗、高橋ユウ、有村藍里、おのののか、山田真歩、安藤玉恵、速水もこみち 配給/KATSU-do 3月15日(金)全国ロードショー。
■誰もが認める「絶世のブス」を自覚し、結婚を諦めてウエディングプランナーとして働く香澄(ガンバレルーヤよしこ)は、イケメン上司・久世(速水もこみち)から突然、プロポーズされる。しかし久世は、自称“意識の高いB専”で香澄のことを「ドブス」と好意を持って言い放つ。そんな久世を受け入れられない香澄は、無視して仕事に没頭。さらに、フラワーコーディネーター・武内(大野拓朗)にも好意をよせられてしまい…。

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やくみつる:漫画家。新聞・雑誌に数多くの連載を持つ他、TV等のコメンテーターとしてもマルチに活躍。『情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)、『みんなのニュース』(フジテレビ系)レギュラー出演中

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