葉加瀬マイ 2018年11月29日号

鳥取中部M6.6 未知の断層が引き起こす阪神大震災の再来

掲載日時 2016年11月02日 10時00分 [社会] / 掲載号 2016年11月10日号

 10月21日午後2時7分頃、鳥取県中部を震源とした震度6弱の強い地震が発生した。気象庁によれば規模はM6.6と推定され、関東から九州の広い範囲で揺れを観測。その後も、震度4級の余震が続いている。

 鳥取県内では、このところ地震が相次いで起きていた。9月28日には県中部で震度3が複数回発生したほか、10月10日に県東部で震度2が発生。さらに、今回の震度6弱の直前、21日の正午過ぎにも、震度4が観測されていた。
 「鳥取県の大きな地震と言えば、1943年9月10日、第二次世界大戦中に発生した鳥取地震。地震規模はM7.2、最大震度6を記録し、死者1083人、負傷者3000人を出し、鳥取市中心部は壊滅的な被害を受けた。不気味なのは、その翌年12月7日、三重県沖を震源とした東南海地震(昭和東南海地震=M7.9)が発生している点です」(サイエンスライター)

 果たして、今回はどうなのか。地震学者で武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏が言う。
 「鳥取地震、東南海地震、さらに三河地震(M6.8)、南海地震(昭和南海地震=M8.0)と、戦中、戦後にかけ、4年連続して1000人を超える犠牲者を出す巨大地震が発生しています。この流れを見ても、鳥取地震は南海トラフ巨大地震の前兆現象と言える。100年に1度のペースで発生するとされる南海トラフ地震は、その発生前にいずれも西日本の内陸で大きな地震が頻発しているのです。今回の地震についても非常に心配です」

 南海トラフ巨大地震の間に発生する、西日本の内陸部での大きな地震。専門家の間で、その一つとして考えられているのが、2013年の4月13日に発生した淡路島地震(M6.3)だ。この時も淡路市で震度6弱を記録し、家屋の一部倒壊が2000棟以上に達している。
 震源は、'95年に発生した阪神・淡路大震災(M7.3)の震源の野島断層が属する六甲・淡路島断層帯。東北大学理学部の遠田晋次教授は「兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)の時のひずみが依然として淡路島に蓄積しており、兵庫県南部地震の広い意味での余震」との見方を発表している。
 気象庁などは当時、この地震を『南海トラフ地震と関係がある可能性は低い』と発表しているが、それを否定する研究者は少なくない。京都大学防災研究所の入倉孝次郎名誉教授もその1人。やはり戦前・戦後に起きた東南海、南海地震前の西日本での内陸地震を例に、今後の南海トラフ巨大地震との関連を指摘している。

 前出のサイエンスライターが言う。
 「淡路島地震、今年4月に起きた熊本地震、そして今回の鳥取中部での地震など、西日本の内陸地震は南海トラフのプレッシャーを受け、断層が動いて発生しているということ。しかも、淡路島直下には阪神・淡路大震災の時のひずみが残っているため、いつまた活断層が動いて大きな被害をもたらすか分からないという。プレッシャーが続く限り、再び阪神・淡路大震災と同じような地震が襲う可能性もあるというわけです」

 ある地質学者もこう話す。
 「1854年に安政東海地震、その32時間後に安政南海地震が発生し(いずれもM8.4)、これらも南海トラフ巨大地震の一つと言われている。その約5カ月前には、現在の三重県付近を中心にM7.2の伊賀上野地震が発生している。当時の状況と現在は非常に似ていると言えます」

 南海トラフ巨大地震の前兆現象は、それだけに留まらない。東日本大震災について、こんな不気味な話があるのだ。
 「南海トラフを震源とする巨大地震の中でも、887年に起きた仁和地震はトップクラスの揺れだったという見方がある。その18年前には宮城県沖で、東日本大震災と同じような巨大津波が襲った貞観地震が発生しているんです。そのため、研究者の間では、三陸沖で巨大な地震が起きた後の南海トラフ地震は、巨大なものになると言われているのです」(前出・サイエンスライター)
 「しかも、前述した前回の南海トラフ地震の揺れは、それまでのものに比べるとまだ小ぶりなもので、昭和東南海、南海地震ともに最大震度6でした。とすると、それだけストレスが溜まっていると考えるべきでしょう」(前出・島村氏)

 今回の鳥取県中部での地震発生の翌日、午前3時33分頃に日向灘を震源とするM4.4規模の地震が発生し、大分県佐伯市で震度4を観測している。この日向灘は南海トラフの最西端に位置しており、前日の地震に何やら呼応しているかのようにも見える。
 「南海トラフの巨大地震は秒読みに入った可能性が高い。地震の活動期と言われた800年代後半の貞観時代と同じような地殻変動が、今後も立て続けに起こるという見方が強い。となれば、地震のみならず、富士山の噴火も刻々と迫っているということです」(前出・サイエンスライター)

 鳥取県中部での地震を受け、大阪管区気象台は、“南海トラフ地震への影響はない”としている。しかし、そもそも今回の揺れは判明していなかった“未知の断層”が原因だという。果たして、関連性を否定できるのか。

関連タグ:地震

社会新着記事

» もっと見る

鳥取中部M6.6 未知の断層が引き起こす阪神大震災の再来

Close

WJガールオーディション

▲ PAGE TOP