菜乃花 2018年10月04日号

安倍自民総崩れ 高笑い小池新党がのみ込む前原民進党

掲載日時 2017年09月12日 10時00分 [政治] / 掲載号 2017年9月21日号

 加計学園問題などで支持率が急落したが、内閣改造でかろうじて息を吹き返したかのように見える安倍政権。しかし、自民党ベテラン議員は「“ポスト安倍”争いは激しくなるばかりだ。10月の衆院トリプル補選の結果次第では党内が総崩れになりかねない」と、危機感を募らせる。その元凶の一つが、麻生太郎副総理兼財務相と菅義偉官房長官の激しい対立だ。

 8月29日早朝、北朝鮮のミサイルが日本上空を通過したことを受け、菅氏は臨時記者会見を行った。しかし、「会見場はかなりの緊迫感に覆われていたが、菅さんは何だか余裕の表情だった」(全国紙政治部記者)という。その理由を、自民党関係者はこう見立てる。
 「27日の茨城県知事選の結果ですよ。自公推薦で新人の大井川和彦氏が、現職で7選を目指した橋本昌氏に約7万票の差をつけて当選しましたが、あれは事実上、菅さんが陣頭指揮を執っていた。あまり感情を表に出さない菅さんですが、大井川氏の勝利でかなりご機嫌だったと聞いている」

 大井川氏は地元茨城出身で東大法学部卒業後、通産省(当時)に入省。経産省を退職後、マイクロソフトアジアを経て、IT関連企業トップ「ドワンゴ」の役員となった。その大井川氏の擁立を、自民党茨城県連会長の梶山弘志地方創生担当相と二人三脚で練りに練って決めたと言われる菅氏は、茨城に岸田文雄政調会長、小泉進次郎筆頭副幹事長などを送り込むと同時に、様々な工作を仕込んだとされる。
 「建設、厚労、電機関係などの職域に強い影響力を持つ族議員30人前後を送り込み、それぞれの業界を徹底して大井川氏支持になびかせたと聞いています。また、東京都議選でねじれた公明党に対しては人脈をフル稼働して支持を取りつけ、山口那津男代表、石井啓一国交相らも応援に入ったことで、創価学会票もほぼ大井川氏に流れることになったのです」(地元記者)

 しかも、一部報道では自民党系列の県議らに6000万円からの現金がバラまかれたなどというキナ臭い話も飛び出す始末。なぜここまで菅氏は茨城県知事選にこだわったのか。自民党ベテラン議員の話。
 「一つはもちろん、内閣改造直後の大きな選挙だったこと。安倍内閣の支持率回復のアピールには絶好のチャンスで、勝てば10月の補選に向け勢いをつけられる。二つ目は、梶山氏の父の故・梶山静六元官房長官が、菅氏の“政治の師”であること。茨城で自ら息のかかった知事を誕生させることは、菅氏の強い気持ちの表れである一方、勢力拡大の意味でも大きい。そうした動きや、無派閥だがしっかり『韋駄天の会』といった自身の勉強会の活動を活発化させるところを見ても、単に安倍首相の女房で終わりとは思っていない。仮に総裁選となれば地方票も大きい。地元神奈川は当然、これで茨城でも力を強めたことになる」

 これらに加えて、菅氏が茨城県知事選に心血を注いだ理由に、麻生氏の存在があるという。
 「今回の内閣改造を巡っても、菅さんと麻生さんの犬猿の仲ぶりがかなり出たと聞いています。改造直前、安倍首相に麻生さんが、加計、森友学園問題の火消しの失敗の責任は菅さんにあるとして、支持率低下を含め責任を取らせるべきと進言したという。それでも首相は菅氏を続投させただけに、菅氏としても茨城県知事選で負けるわけにはいかなかった」(前出・自民党関係者)

 麻生・菅バトルは今回ばかりではない。昨春、消費税率10%への引き上げでも対立したとされ、麻生氏は予定通りの増税実施を主張。一方の菅氏は反対し、これも最終的に安倍首相が菅氏に耳を傾け再延期となった。
 また昨年10月の衆院福岡6区補選では、麻生氏が福岡県連会長の長男・蔵内謙氏を担げば、菅氏は鳩山邦夫元総務相の次男・二郎氏を支援し分裂。結果、菅陣営に軍配が上がっている。
 「こうなったのは安倍首相にも責任がありますが、政権を支える2人がここへ来てさらにバチバチでは先が思いやられる。しかも自民党内では、野田毅前税制調査会長や村上誠一郎元行政改革担当相らが中心となった勉強会に続き、8月25日には有志議員でつくる勉強会『日本の明日を創る会』が設立され、“安倍降ろし”の空気が蔓延し始めている。こんな状態で補選など戦い抜けるのか」(別の自民党関係者)

 そんな状態の自民党をさらに大きく揺さぶるのが、小池百合子東京都知事の側近の若狭勝衆院議員が立ち上げた日本ファーストの会、その先にある小池新党への動きだ。
 「9月1日に民進党代表選が行われ、前原誠司氏が枝野幸男氏に大差で勝ちましたが、その最大の勝因は、前原氏が共産党などとの野党連合を否定し、『共通の認識があれば小池新党との連携を模索したい』との発言が、議員間やサポーターに支持されたからです。党内部では、先に離党し小池新党との連携を目指す細野豪志氏や長島昭久氏らに続き、泥船の民進党から飛び出そうという勢いが止まらない。そのため、いずれは左派勢力と分裂し前原代表を中心とする民進党が、小池新党に飲み込まれる可能性も高い」(民進党関係者)

 その小池新党に自民党は対抗できるのか。最大の節目は、やはり10月22日の衆院トリプル補選だ。
 安倍自民が自滅しかねない状況に小池氏の高笑いが聞こえてきそうだ。

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