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LiLICoオススメ「肉食シネマ」 お騒がせエイミーの真の才能 『AMY エイミー』

掲載日時 2016年07月20日 18時00分 [エンタメ] / 掲載号 2016年7月28日号

LiLICoオススメ「肉食シネマ」 お騒がせエイミーの真の才能 『AMY エイミー』

 お仕事お疲れ様です。
 これからは夏祭りがいっぱい。日本の夏は苦手ですがお祭りは大好き! もちろん、その合間には涼しい映画館へ行ってね。

 今週はエイミー・ワインハウスのドキュメンタリー映画『AMY エイミー』を紹介します。ファンじゃないと、なかなかアーティストのドキュメンタリーって見に行かないかもしれないけど、これはアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞、その他の映画賞も多数受賞した作品なんです。
 実は、私はまったく彼女のファンではなかった。ヒット曲『リハブ』がラジオから流れると“心地よいメロディーだなぁ”と思いながらも、エイミーが起こした数々のスキャンダル騒ぎは好きになれなかったから。

 私は、ドラッグに溺れるアーティストって昔からいい見本ではないと感じています。ちょっと古い言い方かもしれないけど“テレビは夢の箱”だと今でも思っています(もう箱形の時代じゃないけど)。テレビに映る人は真面目にバカなことを演じるならいいけど、やはり違法なものには手を出さず、常に健康であってほしいと思っています。
 この作品を見ても、その気持ちは変わることはなかったのですが、ばか騒ぎを起こす彼女の本当の姿から、コンプレックスを感じていたり、とてもシャイな女の子を読み取ることができて、ちょっと守りたくなった。

 若いときからの映像を見ると、“本当に奇跡の歌姫かも!”と感じることがある。自分に素直で、インタビューを受けてるときに気に入らない質問に当たると態度を変えたり、パパラッチとの戦いだったりする一方で、歌のことになると、真剣になる彼女。本人も「私を知れば世間は理解するはずよ。私は音楽しか才能がない人間だって。だから放っといて。音楽をするから。音楽をする時間が必要なの」と言うように、真の“音楽人”でしたね。

 そして、暴れん坊な彼女のまったく違う姿は、憧れの歌手の前にいるとき。この場面が大好きです。エイミーの親も憧れるトニー・ベネットとのデュエットで、うまく自分を表現できないエイミー。親指を細かくオデコにタッピングしながらイライラと不安を隠せない。
 のちにインタビューを受けたトニーの言葉が印象的でした。
 「彼女が生きてたら言いたい。生き急ぐな。貴重な存在だ。生き方は人生から学べる。もし長く生きれば」

 こんな個性的な歌姫は、今後、現れるのでしょうか。天国でゆっくり休んでください。

画像提供元:(C)Rex Features

■『AMY エイミー』
監督/アシフ・カパディア 出演/エイミー・ワインハウス、ミッチ・ワインハウス、マーク・ロンソン、トニー・ベネット他 配給/KADOKAWA 7月16日(土)角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ新宿ほか全国ロードショー。
 2011年7月23日に27歳で死去したイギリスの歌手エイミー・ワインハウスのドキュメンタリー。'06年発表のアルバム『Back to Black』が世界で1200万枚のセールスを記録したほか、'08年の『グラミー賞』で最優秀新人賞、最優秀楽曲賞5部門を総ナメするなど、歌手としての成功を収める。しかしその一方で、アルコールや薬物の依存症に悩まされ、過激な発言などでスキャンダルも多く報道された。そんな彼女の知られざる真実を、未公開フィルムやプライベート映像も交えて映し出していく。

■LiLiCo:映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS「大様のブランチ」「水曜プレミア」、CX「ノンストップ」などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。

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