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携帯料金引き下げの舞台裏 ソフトバンク孫VS楽天三木谷遺恨試合勃発!

掲載日時 2015年10月14日 10時00分 [社会] / 掲載号 2015年10月22日号

携帯料金引き下げの舞台裏 ソフトバンク孫VS楽天三木谷遺恨試合勃発!

 プロ野球のパ・リーグは福岡ソフトバンクホークスが早々と優勝を決め、オーナーの孫正義ソフトバンクグループ社長は鼻高々だった。一方、ライバル各球団は今季、屈辱的ともいえる対戦成績でぶっちぎられたことに対し、リベンジを熱く誓ったに違いない。中でも胸中穏やかでないのが、2年連続で最下位争いを演じた東北楽天ゴールデンイーグルスのオーナー、楽天の三木谷浩史会長兼社長なのは衆目の一致するところだろう。

 ソフトバンクが優勝マジックを着々と減らしていた9月11日、野球とは全く関係のないところで、三木谷社長の名が急浮上した。
 安倍晋三首相が経済財政諮問会議で「アベノミクスは、いよいよ第2ステージに入る」と宣言、その終了間際に「携帯電話料金などの家計負担の軽減は大きな課題だ」と、唐突に料金値下げに言及し、高市早苗総務相に年末までの具体的取りまとめを指示した。

 その“影の仕掛け人”こそ、三木谷社長に他ならないというのである。
 「彼は経団連に対抗すべく、3年前に『新経済連盟』を旗揚げし、政治への影響力を強めようとしている。安倍首相とも親しく、その縁で産業競争力会議の民間議員に選ばれたばかりか、新経連が4月に開いた『新経済サミット2015』には安倍首相が来賓としてあいさつし、彼をベタ褒めした」

 そう前置きして、楽天ウオッチャーが影の仕掛け人たるゆえんを解説する。
 「新経連は以前から『ユーザーのモバイル通信負担が割高』と唱えている。この分野でメジャー企業にのし上がったソフトバンクを仮想敵と捉えているのは明らかで、今回の安倍首相の発言は彼の持論を“パクッた”に等しい。しかし携帯電話の料金設定は本来、会社が決めること。政府が値下げに言及すること自体、禁じ手破りに他なりません」

 むろん、政府が“三木谷パクリ”の汚名に甘んじるわけがなく、年末に向け総務省が独自色を盛り付けるのは明白だろう。とはいえ「1割の値下げで収益の半分が吹き飛ぶ」(関係者)といわれるだけに、携帯3社には悩ましい問題だ。各社の株価が急落したのも無理はないが、通信担当アナリストは「三木谷さんに負けず劣らず彼らはシタタカ。世論の反発がない問題だけに抜け目はありません」と喝破する。
 「アップルの最新作『iPhone6s』で各社はかけ放題プランを月額1700円で足並みをそろえた。従来に比べ1000円安く、身銭を切ったように見えますが、5分以上の通話は有料にしたのがミソ。おしゃべり好きが多い分、収入自体はそう変わりません。安さを強調した、一種のマジックです」

 そうしたソツのない点で存在感を見せつけているのがソフトバンクの孫社長。今でも“伝説”として語り継がれているのが、民主党政権下で見せつけた政府との二人三脚だ。象徴的なのが太陽光発電(メガソーラー)事業に率先して参入したこと。結果、子会社の『SBエナジー』は今や国内16カ所に太陽光発電施設を持ち、計画中のものを含めると発電容量は453メガワットと、国内最大規模を誇る。遅れて参入した『楽天ソーラー』が今年の8月で新規申し込みの受け付けを終了し、10月末で事実上撤退するのとは対照的である。
 楽天とソフトバンクの激突は他にもある。電力小売り自由化が来年4月に迫った中、東京電力=ソフトバンク、関西電力=KDDI、伊藤忠エネックス=王子HD、東北電力=東京ガスなど業種を越えた連携の動きが加速している。楽天は先ごろ、丸紅とタッグを組んで電力小売りに参入することが決まった。しかし、旗揚げが遅い上、東電=ソフトバンク陣営は強力なライバルになり、その牙城を切り崩すのは容易ではない。だからこそ「楽天イーグルスのオーナーである三木谷社長はソフトバンクとの“場外バトル”にシャカリキになっている」と関係者が打ち明けるほどだ。

 さらに「孫さんは民主党政権下で“政商”の異名を取った。政権と癒着することで事業を拡大させたからですが、今度は三木谷さんが同じ烙印を押されかねません」と、前出の楽天ウオッチャーは顔を曇らせる。
 「楽天は傘下の楽天モバイルが大手から回線を借りて割安サービスを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)を運営し、去年スタートしたばかりなのに『1000万契約』の大風呂敷を広げている。そのオーナーが携帯料金の値下げを画策したこと自体、自社への利益誘導の謗りは免れません。下手すると安倍政権の命取りになるかも…。株式市場では『それを見越して石破茂地方創生担当相が派閥を旗揚げした』との観測が浮上しています」

 楽天、ソフトバンクの“場外遺恨試合”は、クライマックスシリーズ以上にヒートアップしそうだ。

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