鈴木ふみ奈 2018年11月1日号

専門医に聞け! Q&A 「痔核」の要因は自律神経の緊張にあり!

掲載日時 2011年11月13日 12時00分 [健康] / 掲載号 2011年11月17日号

 Q:以前からイボ痔があります。痛みはないのですが、少し出血することがあり不快です。市販の塗り薬を時々使いますが、さほど効果はありません。何かよい方法はないでしょうか。(38歳、調理師)

 A:イボ痔は、肛門と大腸の境界線、歯状線をはさんで、その内側や外側にできる静脈のかたまりのこと。医学用語では痔核といいます。
 血が滞ってうっ血し、それがかたまりになっている状態です。
 痔核は、歯状線の内側にできる内痔核と、その外側にできる外痔核に分けられます。
 存在するだけでは痛みはありませんが、排便時に力んだりすることによって出血することがあります。

●痔は人間の宿命?
 痔核の原因は、便秘や排便時の力み、座りっぱなしの生活、冷え、お酒の飲み過ぎ、ストレスなどが挙げられます。
 これらの要因が影響するのは確かですが、根本の原因は2本足での直立(歩行)の生活にあります。
 椅子に座ったり、立っていたりする状態では、心臓へ還る静脈の血液は、重力に抗して上行しています。そのため下肢は静脈がうっ血しやすく、痔核もできやすいのです。
 痔が人間の宿命といわれるのはこのため。ご質問の方も、調理師という職業が影響しているのでしょう。さらに、冷えも関係しているかもしれません。

●腸の機能を整えるとよい
 以上のような見方とは別に、腸から捉える考え方もあります。
 わかりやすく説明すると、腸には排便のための下へ向く作用と、反対に、排便をストップする作用の両方を持っています。その2つのうち、下へ向くパワーが強過ぎると痔核になります。
 その要因は、自律神経の緊張です。これを改善するには鍼治療が有効。緊張を緩和することによって腸の働きが正常になれば、痔核は自然に消失します。
 また、漢方薬も試してみて下さい。
 腸の機能を整える代表的なものに、桂枝加竜骨牡蠣湯があります。それに加え、うっ血を取り、血の巡りをよくする活血薬を併用するとなお効果的です。
 ちなみに、自律神経と腸の関係では、自律神経が緩みすぎているのもよくありません。いつもストレスにさらされている人なら、時には温泉でリラックスするなどしてストレス解消を図りましょう。
 冷えについても、使い捨てカイロを使ったり、入浴して温まるなどの対策を。
 なお、出血にはホホバオイルやスクワランなどのオイルや漢方軟膏の紫雲膏が役立ちます。
 どちらも、粘膜を保護してくれます。

岡田研吉氏(玉川学園・岡田医院院長)
東邦大学医学部卒。ドイツ留学中に東洋医学に関心を持ち、帰国後、国立東静病院で漢方を学ぶ。独自の漢方処方で生活習慣病などに成果を上げている。著書『さらさら血液が長生きの秘訣』など多数。

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