悩める「老人ホーム」の選択 介護体験者に確認し、施設の「徹底視察」も重要!(2)

社会・2010/12/12 11:00 / 掲載号 2010年12月16日号

 2年前あたりからAさん宅で問題が起こった。老化の進行が著しい父親が、1人で風呂に入れなくなったのである。
 Aさん夫婦は、体重70キロの父親を抱えて風呂に入れることが出来ない。
 担当のケースワーカーに相談し、「デイサービス」と「ショートステイ」を利用することにした。

 「デイサービス」は週2回、早朝の9時前後に送迎用のバスが来て、デイサービスセンターに連れて行ってくれる。
 風呂に入れてもらい、昼食を食べ、夕方4時頃、バスで帰宅となる。
 「1回1000円だったでしょうか。また、『ショートステイ』は、原則1週間以内ですが、身内の冠婚葬祭で家を空けたとき、おやじの介護を特別養護老人ホームにお願いしました」(Aさん)

 このようにして家族介護を続けていたが、今年に入って、Aさんの父親が呼吸不全で緊急入院。担当医から、
 「退院しても、もう家族介護は無理でしょう。どこか、介護専門家がいる特別養護老人ホームの入居をお勧めします」
 と言われたことから、Aさんは老人ホームに関するあらゆる情報を集め、どこに入居するか選択に取りかかった。

 まず、都内にある何件かの「有料老人ホーム」を視察した。金額は入居金が数百万円から数千万円までと幅が広い。
 そのうち、今年5月、豊島区内にオープンしたばかりの「介護付き有料老人ホームG」を訪問すると、鉄筋コンクリート造り3階建てで、部屋の広さは18.41平方メートルである。
 Aさんの父親は88歳であることから、入居一時金(5年償却)は1380万円、月額利用料(管理費、食費、水光熱費含む)は、23万8250円である。
 年齢が65歳(〜69歳)と若いと、入居一時金は1932万円になる。逆に、95歳以上(3年償却)になると、828万円の入居一時金だ。
 「しかし、経済的な問題から有料をあきらめて、特別養護老人ホームを選択しました」(Aさん)

 老人福祉施設には「老人デイサービスセンター」「老人短期入所施設」「養護老人ホーム」「特別養護老人ホーム」「軽費老人ホーム」「老人福祉センター」「老人介護福祉センター」などに分かれている。(名称は市町村で変わる)
 そして、施設・場所によっては入居に100人待ちというケースも珍しくない。
 「特別養護老人ホームの入所基準は介護専門家に聞いたほうが早い。とにかく、大事なことは、いろいろな施設を丹念に見学すること。そして納得するまで質問してください。50人待ち、100人待ちもありますから、同時に2件ぐらい入居を申し込んでおくことも悪くはありません」(前出・伊藤氏)

 問題は、費用である。さまざまな費用徴収制度に分かれており、支払いは、本人の所得(収入46段階)と、扶養義務者の所得(収入14段階)を合わせての徴収額になる。これも煩雑で、専門家に聞くしかない。
 「私は月額27万円ぐらいの支払いです。介護も申し分ない。とくに私が気にいったのは、1つの施設で要介護の軽い、重い入居者を分け、なるべく合わせないような施設作りにしていることでした。この気配りがいいですね」(Aさん)

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