葉加瀬マイ 2018年11月29日号

話題の1冊 著者インタビュー 李小牧 『元・中国人、日本で政治家をめざす』 CCCメディアハウス 1,600円(本体価格)

掲載日時 2015年09月20日 18時00分 [エンタメ] / 掲載号 2015年9月24日号

 −−来日してまず歌舞伎町を目指したのはなぜですか?

 李 当時はまだ日本語も全然話せなかったし、とにかく生活費と学費を稼ぐためにアルバイトを探しました。ただ、あの頃は外国人が働ける場所がほとんどなくて、いわゆる3Kの仕事ばかりでしたね。歌舞伎町の話は中国にいるときからいろいろと聞いていて、風俗店だけでなくレストランなどのお店がたくさんあると知っていたので、そこに行けば何か仕事があるんじゃないかと思っていたのです。もちろん、日本に来て最初に泊まったホテルが歌舞伎町のラブホテルだったことも、なんとなく歌舞伎町に引き寄せられた理由だと思います。私の日本での原点ということですから。

 −−「歌舞伎町案内人」からなぜ政界を?

 李 これは2004年から始めた『ニューズウィーク日本版』連載コラムの影響です。歌舞伎町という街で起こっている出来事や、在日中国人たちの日本での暮らしぶり、中国の話題など、自然と社会的なネタが多くなっていったのです。当然、それらのネタはすべて政治につながっていきます。私自身も政治に関心を持つようになり、「もっとこうすればいい」「私ならこんなことができる」と、いつの間にか頭の中が政治家になっていたというわけです。また、欧米の国々には元・中国人の政治家がたくさんいるのに、日本にはまだ一人もいない。帰化していない在日中国人も合わせれば、日本には80万人もの中国出身者がいます。そろそろ彼らの代表が政界に入っても、いいのではないかと思っています。

 −−実際に立候補してみて、日本の選挙をどう感じましたか?

 李 選挙戦の前はやはり不安でいっぱいでした。必ず嫌がらせなどがあるだろうと覚悟していたからです。特に大久保通りで演説するときには緊張しました。でも実際には、まったくなかったとは言いませんが想像していたよりもずっと少なくて、本当に楽しく選挙戦を戦うことができました。右翼の方々も全然来ませんでしたし(笑)。今回は残念ながら準備不足もあり、落選してしまいましたが、1018票も取れたことは私の自信につながっています。区議選のような小規模の選挙では、自分に投票してくれる人の顔がすべて分かるくらいじゃないと勝てないそうですが、私には1018人も知り合いはいないし、誰が入れてくれたのか本当に分からないんです(笑)。たった2カ月の成果としては、かなり自慢できるんじゃないかと思っています。

(聞き手:程原ケン)

李小牧(り こまき)
1960年、中国湖南省長沙市生まれ。バレエダンサー、文芸紙記者、貿易会社社員などを経て、'88年に私費留学生として来日。新宿で「歌舞伎町案内人」として活動を始める。2015年2月、日本国籍を取得。同年4月の新宿区議会議員選挙に初出馬する。

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