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阪神 金本監督vs掛布氏の内紛に発展する大和のFA流出

掲載日時 2017年11月23日 16時00分 [スポーツ] / 掲載号 2017年11月30日号

 現場とフロントの新しい対立劇に発展しそうだ。

 “スーパーサブ”大和(前田大和=30)が11月8日にFA権行使を表明した。内外野両方をこなし、'14年に外野守備でゴールデングラブ賞を獲得した「12球団随一の守備力」を誇る大和には、早速、オリックス、DeNAが獲得に名乗りを上げたが、この突然のFA権行使は金本采配が理由。大和の流出は、球団社長、本部長を一新させたフロントも深刻に受け止めている。
 今季の大和は、二塁手で48試合、遊撃手で56試合に出場。守備ばかりが注目されがちだが、バットの方も規定打席には到達しなかったものの、今季からスイッチヒッターに挑戦し、2割8分の好打率を残している。

 「残ってほしい。(編成に)頑張ってもらうしかない」
 大和のFA宣言を聞かされた金本知憲監督(49)は、秋季キャンプの真っ最中に、開口一番、そう答えた。しかし、この言葉に首を傾げた者も少なくなかった。
 「チームの戦力補強はフロント編成部の仕事ですが、金本監督は昨年オフ、糸井嘉男(36)のFA交渉には自ら乗り出し、説得に当たりました。本当に大和に残ってほしいと思うのなら、こちらも交渉の席につくべきです。これでは、大和がFA退団した場合、すべてフロント幹部の責任になってしまう」(在阪記者)

 当初、大和は残留すると思われていた。だが、状況が一転したのは10月5日の中日戦2回裏。一打席も立たずに代打が送られたのだ。交代の理由は、守備時に右足をひねったため。後日、試合に復帰しているので軽傷だったようだが、チームでの評価を痛感させられた。
 「交代したのが高卒3年目の植田海。今季は金本監督の要請で左打ちにまで挑戦したものの、いつまで経ってもレギュラー扱いしてもらえない。メンツ丸つぶれで、悶々としたものが爆発したようです」(同)

 “身内”とも言うべき、関西系メディアも「移籍前提」の見出しを踊らせていた。
 「安芸では植田が内野守備で鍛えられており、打撃がウリの新人、糸原健斗もショートを守れます。北條史也もこのまま終われないでしょう」(スポーツ紙記者)

 フロントは説得失敗の責任を負わされそうだ。しかし、フロントも対抗手段を講じていた。球団社長、本部長を刷新させたのだが、一新というのは異例中の異例だ。揚塩健治・新社長、谷本修・新本部長は金本監督たちへの挨拶を済ませたが、こんな見方もある。
 「球団幹部は定期的に金本監督と食事会を設けるなど、信頼関係を築いてきました。これは金本監督の就任前からですが、野球の専門的な話になると当然、付いていけません。過去2年、金本監督はドラフト1位選手を直前で覆し、外国新選手の補強失敗についてもキツい物言いをしてきました。幹部たちが言われっ放しというのも…」(球界関係者)

 現場とフロントが対等な関係であるためにどうするか。不気味なのが、二軍監督を追われた掛布雅之氏(62)の今後だ。フロントが慰留しチームには残留したが、新たな肩書は「オーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザー(SEA)」。新社長らに先駆け、11月1日付で着任したが、その職務内容は、他球団も視察して若手育成法を助言していくというもの。それならば、シニアディレクターの和田豊・前監督がいる。それでも、掛布氏を球団に残す必要があったのだ。
 「掛布氏は2年間で若手を底上げしました。なのに二軍監督を追われたのは、金本監督と意見が合わなくなったからです。掛布氏は選手の自主性も重んじる一方、金本監督は厳しく育てる方針。練習の目的も説明し、本人にやる気がなければダメという考えでした」(同)

 掛布氏が肩書通り、オーナーらの助言役となれば、フロントは金本監督と対等に話ができるようになる。人気のある掛布氏を切れば、ファンの反発は必至だ。それを防ぐ目的もあったろうが、同氏にはユニホームを脱がされた悔しさがある。新体制は金本監督の全面協力をうたっているが、額面通りには受け止められない。
 つまり、「大和流出」の責任は、フロントにはない、ということ。
 「北條、高山俊、原口文仁らは2年続けて活躍できず、藤浪晋太郎に至っては、奇しくも金本体制になってから不振に陥っています。その原因はどこにあるのか。鳥谷敬の昨季の不振原因は、『金本監督が勧めたウエイトトレーニングが合わなかったから』というのが、もっぱらです」(ベテラン記者)

 就任3年目の来季も苦戦するようなことになれば、金本批判にも火がつく。これまでは「チーム改革、育成」で逃げられたが、3年目は結果が求められる。新フロントは大砲タイプの助っ人探しに懸命だが、新外国人選手が活躍して勝てなかったら、金本監督は本当に弁解できなくなる。
 フロント側についた掛布氏が、溜め込んだ反論を開始するのも時間の問題だ。

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